第二十四話 常盤台の寮
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て」
御坂さんをはじめ、初春さんと佐天さんも中に入ってしまったので、俺はどうしようかと考えていたのだが、御坂さんがそう言うので内側の扉をくぐったところで待つことにした。御坂さんが一番近くのドアをノックし中に入ってしばらくすると、御坂さんと一緒に寮監さんが出てくる。
「ほう、お前があの雌雄同体か」
それが寮監さんの第一声だった。
「いやいや、性別選択が可能なだけで、男か女かのどっちかなので雌雄同体ではないです」
思わずツッコミを入れそうになってしまうが、何とか途中から持ち直して普通に答える。
「そうか、それは済まない。それでは身分証を確認させてもらおうか」
「はい」
寮監さんも俺がツッコミかけたのを気にする様子はなく俺の身分証を確認すると、この寮内で男にならないということ、そして常に御坂さんと一緒に行動することを条件に許可を出して貰った。
御坂さんの部屋に行く前に寮内の施設を案内してもらうことになったのだが、常盤台の寮ということで勉強に関連する図書室や、さすがお嬢様といった感じの茶道・華道の部屋、そして能力開発に関するトレーニングルームなどもあって、寮としてはかなりの充実ぶりである。そして、初春さんや佐天さんの関心は茶道・華道の部屋や、食堂の豪華さといったお嬢様的雰囲気の方面に向いていた。
「いやー何というか、さすがに豪華だねぇ」
「さすがお嬢様の園、凄いです!」
ただ、関心の方面は同じでも感想のほうは違っているようである。佐天さんは豪華さに呆れている感じで、初春さんは豪華さに感動している感じだ。
「でも、無駄に豪華にしてるってわけでもないんだよねー。ちゃんと、使うべき部分にお金を掛けているって感じで良いねー」
「そんなことまで分かんの?」
俺が初春さんや佐天さんとはまた違った方向で感心していると、微妙に疑っている感じで御坂さんが聞いてきた。
「ん? まー、分かるっていっても見える部分だけね。例えば壁紙とかドアとかは完全耐火仕様だし、耐震とかの構造上どうしても必要な柱の大きさだと見栄えが悪い場所なんかには柱の周囲に細かい模様を彫って見栄えよくしてあるし、階段の手すりとかも女子寮だけあって細めなのに充分な強度が確保できて燃えにくい栗の木を使ってるし、窓は防音と断熱効果に優れた二重ガラスで、割れても飛び散らないように表面がフィルムで覆われてるし、まだ他にもあるんだろうけど今気付いてるのはそのぐらいかな」
「そんなことまで分かんのっ!?」
俺が説明するとさっきと同じ言葉で御坂さんに驚かれた。
「うん。多分間違ってないと思うけど……どうです? 寮監さん」
御坂さんに答えつつ柱の影からこちらを伺っている寮監さんに聞いてみる。
「
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