第二十四話 常盤台の寮
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めに姫羅の身分証とかも用意してもらったわけだが、俺が本来男であるということを三人とも知っているので、当たり前のように常盤台の寮へついて行くのはおかしいだろう。
「あ……そうでした」
「あ……忘れてた」
「うーん、そうだったわねぇ」
なぜか……いや、やっぱりと言ったほうがいいのか、初春さんをはじめとして佐天さんも御坂さんも、俺が本来男であるということは意識してなかったようである。
「それじゃー、ウチは帰るかな」
常盤台の寮は見てみたいが、現状で寮へ付いて行けるような状況を作り出すことなど出来ないので、名残惜しくはあるものの俺だけここで抜けさせてもらうことにした。
「うーん、まあ、しょうがないですよねー」
「そうだねー」
初春さんと佐天さんが残念そうにつぶやく。御坂さんだけは少し考えている様子で少し遅れて口を開いた。
「ところでアンタの身分証ってどうなってるの?」
「騎龍と姫羅で別々に持ってるわよ」
質問に答えると御坂さんはまた少し考えてから話し始める。
「それなら帰った時にちょっと寮監に聞いてみるわ。身分証が女性なら多分問題ないはずだからね。それに男でも例えば家具を搬入する業者の人とかなら入っても問題にはならないし、兄弟とかが来ることもあるから寮内自体は男性に見られても大丈夫なようにはなってるのよね」
「へー、そうなんですかー」
御坂さんの説明で初春さんが感心したようにうなずく。
「だから、神代さんが今の格好で入る分にはそれほど問題ないと思うのよね。まー、寮監に聞いてみないと分からないけど」
「な……なるほど。それじゃー、寮までは付いて行ってみるわね。駄目だったらその場で帰ればいいし」
「そうですねー。そうと決まれば、早速行きましょう!」
なんか物凄く都合の良い展開に若干引きつつ、常盤台の寮まで行ってみることにした。俺と違って初春さんはテンションが上がってノリノリである。
「うわぁ、今から中に入れるんですね。ドキドキします」
移動中もテンション上がりっぱなしの初春さんだったが、常盤台の寮の前に到着すると最高潮に達していた。いや、もしかしたら中へ入った時に更に上があるのかもしれないが……。
中に入ってみると、郵便物や新聞を受け取るボックスが並んでいたり、部屋番号と居住者名が書かれた表札とインターホンだと思われる端末があったりと、造りは普通のマンションとそれほど違わないようだ。御坂さんがそのまま内側の扉の横で少し手を動かすと、内側の扉が開いた。御坂さんの手の動きから暗証番号を入力したというわけではなさそうだったので、恐らく指紋か手のひらの静脈か網膜辺りでの認証なのだろう。
「ちょっとこの辺で待って
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