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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
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を翔ける。
「待ってて、ヴィヴィオ。今迎えに行くから」
・―・―・―・―・
「ドクター、アスモデウスはどこへ・・・?」
ゆりかごからラボへと帰ってきたウーノが辺りを見回す。自分たちナンバーズが空けている際、スカリエッティの護衛としてラボに留まるはずの許されざる色欲たるアスモデウスが居ないことを不審に思ったことからによる疑問。
「彼女は別室だよ」
「そうですか。・・・トーレとセイン、セッテも戻りました。迎撃準備完了です。クアットロとディエチはゆりかご内部に。他の妹たちはそれぞれのミッションポイントと地上本部に向かっています」
スカリエッティがそう言うなら信じるしかないウーノは、ナンバーズの現状を報告する。トーレとセインとセッテはここアジトへと帰還し、侵入者に対する迎撃戦の準備も終え、クアットロとディエチは聖王のゆりかごの内部で待機。残りのナンバーズは、スカリエッティに与えられた任務を全うするためにそれぞれのルートで地上本部へと向かっていると。
モニターに映るのはガジェットU型に乗るルーテシアとガリュー、そしてオットー。しかしそこには許されざる嫉妬たるレヴィヤタンの姿はない。先程、アスモデウスがこのラボに来るように指示をしたためだ。あと数分、いや、数十秒でこのラボへと到着するだろう。
「騎士ゼストも動かれていますね。こちらの計画の妨害をしてしまう可能性がありますが・・・」
「騎士ゼストなら何も問題ないさ。ドゥーエが任務を終え次第、地上本部へ向かってくれる」
スカリエッティの口から出た新たなナンバーズの名、ナンバーUドゥーエ。彼女こそがスカリエッティが最高評議会への対策として送り込んでいたスパイ。現在の任務とは最高評議会の抹殺だ。すでに用済みとなった最高評議会を消すためにいる。
最高評議会も予定外だろう。自らが失われた地“アルハザード”の叡智と技術を以って生み出した存在――無限の欲望の開発コードを持つジェイル・スカリエッティによって滅ぼされることになろうとは、と。こちらが利用し、向こうが利用される。その立場を信じてしまっていたことが過ちだった。
「そうでしたね。・・・あの、ドクター? 先程から何故私の方へと振り向いてくださらないのですか?」
ウーノの何気ない疑問。そう、スカリエッティは一度としてウーノに振り向かない。
「?・・・ドクター、その目はどうなさったのですか?」
ウーノは、こちらに顔を向けられたスカリエッティの異変に気付く。スカリエッティの目の色は金だったはず。だが今は真紅に染まっていた。真紅。それはアスモデウスを象徴する色だった。
「この目かい? これはね・・・」
「っ!?」
ウーノの意識はそこで途絶えた。
・―・―・―・―・
聖王のゆり
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