暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
涙 〜Lacrimae〜
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その2人は顔を逸らしてウェンディを見捨てた。そしてウェンディに向けられたレヴィヤタンの視線も何気に冷たい。

「あ、いやぁ、まぁ、こちらのお母さんに合うレリックが見つかれば、ちゃんとお目覚めになるんスよね?」

「ドクターからはそう聞いてる。11番のレリックを見つけることが出来れば、この人はわたしのお母さんになって、そうしたらわたしに心が宿るんだって」

ルーテシアの言葉が途切れると同時に、レヴィヤタンは空いている左手でルーテシアの右手を握った。

「ルーテシア・・・大丈夫。・・・わたしも手伝うから・・・。だから・・・がんばろう・・・」

「ありがとう、レヴィ・・・」

ルーテシアはしっかりと手を握り返す。その2人を見ていたウェンディもその気になりだした。

「そうっスね! あたし達も今回のことが終わったら、お2人のために粉骨砕身でレリック探しを頑張るっスよ!」

・―・―・―・―・

通路を歩くのはスカリエッティ、ナンバーTウーノ、そして許されざる怠惰たるベルフェゴールの3人。スカリエッティは先程から笑みを浮かべ、それに続くウーノは“レリック”のケースを持ち、ベルフェゴールはその2人の後をついて少し離れて歩く。
そのためスカリエッティとウーノは気付かない。ベルフェゴールの視線がケースに向けられていて、その顔に浮かべられているのが何かを企む微笑であることに。そして3人が辿り着いたのは小部屋。室内に居たのは診察台のようなところに繋がれて泣き叫ぶヴィヴィオ、そしてナンバーズのWクアットロと]ディエチだった。

「どうだい、いけるかい?」

「はい。バイタルは良好、魔力安定も良いです。移植の準備は終わりました」

ドクターに何も問題ない事を告げるディエチ。ヴィヴィオはスカリエッティの登場でさらに泣き叫ぶ。

「スカリエッティ。この子、あなたの顔が怖いから怯えている。少しの間だけでも笑っていた方がいいのかもね」

「ひどいな、ベルフェゴール」

ベルフェゴールの言葉にスカリエッティは冗談ぽくショックを受ける。実際にはなんとも思ってはいないのがこの男だ。クアットロの強烈な敵意の視線を無視しながらベルフェゴールはヴィヴィオへと近付く。

「ひっ・・・ママぁぁ!・・・パパぁぁ!・・・マ――」

ベルフェゴールの手がヴィヴィオの額に置かれ、その銀の双眸に魅入られたヴィヴィオは急激に大人しくなり、深い眠りについた。

「これで少しは静かになった。やるなら今の内にしておきなさい」

「ふむ。別に構わなかったのだが、まぁ、煩すぎるよりかはマシか」

ウーノの持っていたケースが開封され、その姿を現した“レリック”。

「さぁいよいよだ。聖王の器に、王の印を譲り渡す」

スカリエッティの両手の間
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