暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
涙 〜Lacrimae〜
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うにして座って時間を過ごした。それはまるで家族のようで、いつか私が手にしたい未来の姿だった。

・―・―・―・―・

「寂しくなってしまったものだな、お前たちも」

スカリエッティのアジトの通路を歩くトーレがそう口にする。

「そうね。残りは私を含めた3体だけ。正直ここまで損害を被るなんて思ってもいなかったわ。許されざる暴食(ベルゼブブ)が居ればもう少しはまともに殺り合えるものだけど」

トーレに答えるのは許されざる色欲たるアスモデウスだ。“大罪ペッカートゥム”の中でも彼女が一際ナンバーズとの関わりが深い。そのためにルーテシアやゼストのような丁寧な扱いはアスモデウスにはない。

「相手は一体何者だ? お前たちのような存在と戦えるとは・・・?」

「護ると銘を打っておきながら害するという二律背反の矛盾存在。そう理解しておきながら、気付かないフリをしている愚かで哀しいお人形たち。霊長の審判者(わたしたち)絶対殲滅対象(アポリュオン)と呼ぶ、名ばかりの神さま」

アスモデウスの返答に眉を顰めるトーレ。

「どちらにしても終わりは近い。それまでは生き残らないとね・・・」

そう言ってトーレの前からアスモデウスの姿が消えた。1人そこに残されたトーレは呟く。

「終わりは近い・・・か」

・―・―・―・―・

アジトの別区画に、ルーテシアと許されざる嫉妬たるレヴィヤタンが居た。

「・・・ルーテシア・・・」

ルーテシアの見つめる視線の先には、]Tとある生体ポッドの中に浮く1人の女性の姿。それを先程から見続けるルーテシアに、レヴィヤタンは彼女の名前を呼ぶ。

「あー、ルーお嬢様、レヴィお嬢様。どもっ、11番のウェンディっス!」

その2人に近づいて声を掛けてきたのはウェンディ。ルーテシアとレヴィヤタンは、元気いっぱいなウェンディの方へと振り向く。

「そんで、この男の子っぽいのが8番オットーで、ムスっとしてるのが12番ディード」

ウェンディに紹介されたのは、エリオとザフィーラを撃墜したディード。キャロとフリードリヒにバインドを仕掛け、六課を半壊させたオットーの2人だ。ルーテシアは「うん」とだけ応え、レヴィヤタンは「よろしく」と応えた。オットーとディードも「よろしくお願いします」と2人に頭を下げた。

「このポットの人、ルーお嬢様のお母さんなんでしたっけ?」

「らしいよ・・・」

ウェンディが、ルーテシアの見ていた女性を指してそう言うが、ルーテシアの返答は曖昧なものだった。それを不思議に思ったディードが「らしい?」と訊き返した。

「この人のこと、覚えてないから」

ルーテシアの返答を聞いたウェンディは、やっちゃったみたいな顔をして、オットーとディードに振り向くが、
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