暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
涙 〜Lacrimae〜
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私を受け止めていたのはフェイトだった。おそらくロングアーチスタッフの見舞いに来たんだろう。

「待って! 顔色が悪いよルシル! もしかしてあれから休んでいないの!?」

フェイトが私を心配するが、その前にフェイト、ここがどこだか判らないわけじゃないよな。

「フェイト。心配してくれるのはありがたいが、少し声のボリュームを下げような。この区画一帯は重体患者のいる病室が集中している」

「あ、ごめんなさい」

しょんぼり肩を落としたフェイト。いや、そこまで沈まなくてもいいと思う。そう考えながら廊下に設けられているベンチに座る。思っていた以上に足に力が入らないし、いつまでもフェイトに支えられているのも、男としてヘコむからだ。

「フェイトはロングアーチスタッフの見舞いか?」

「うん・・・」

力のない返答。やはりフェイトも相当疲労が溜まっているようだ。無理もない。昨夜はいろいろな事が一度に起こりすぎた。

「・・・しばらくシャルの治療に集中するから、六課の仕事は手伝えない。すまない。だからそのことをはやてとなのはに伝えておいてくれ」

そう言って立ち上がる。が、それも一瞬のこと。すぐにふらついて倒れそうになる。

「あ、ほら! ルシルだってちゃんと休まないとダメだよ!?」

再度フェイトに支えられた。

「休んでいる暇はない。シャルの治療が終われば、ヴァイスとザフィーラの治療もしないといけない」

「っ!」

「なにを・・・!?」

フェイトの肩を掴んで離れようとしたら、フェイトが私を無理矢理ベンチに座らせた。こうも簡単に力負けするとは・・・ここまで弱っているのか、今の私の体は・・・。

「・・・こんなラフラで何が出来るのルシル? こんな無理してルシルまで倒れたら・・・私は・・・私たちは・・・・!」

紡がれていくフェイトの言葉に、気付かない程度の嗚咽が紛れ込んだ。私は久しぶりに見た。フェイトの涙を。私の横に座るフェイトが、私から視線を逸らして俯いた。

「・・・すまな――ぁ痛ぁっ!?」

おもいっきり頭を叩かれたと思ったら視界が反転して・・・膝枕されていた。フェイトの動きが全然見えなかったのも疲れの所為なのか・・・? 私はそこまで弱っている・・・?

「少し・・・少しだけでいいから休んで、ルシル。そしたら私も安心するから・・・お願い」

横になったら一気に眠気が襲ってきた。あぁ、シャルにはすまないが少しだけ、ほんの少しの間だけ休ませてもらおう。それにしても膝枕なんて実に懐かしい。思い出すのは幼少時に何度かゼフィ姉様にしてもらって・・・そして・・・。

「・・・シェフィ・・・」

彼女にも何度かしてもらったっけ・・・。あのとき言い出したのはシェフィなのに照れ
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