暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
涙 〜Lacrimae〜
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『そして本来の体型で召喚された時、だ。今の君の身長は確か160だったな。で、君の本来の身長は・・・』
『165cmだけど・・・。あー、5cmも差がある』
『そう。もし短時間で召喚された場合、その5cmは結構大きい。どう言い訳していいか全く検討がつかない。っと、君のスリーサイズは?』
『えっと、上から8ろ・・・って、何を言わせるかっ、コラァーーーーッ!!』
場を和ませる冗談のつもりだったんだが。シャルは円卓に置かれていた本を手に取って、その本をオーバースローで投げてきた。咄嗟に首を反らして回避した。だが1投目に隠れた2投目が存在していた。梳きを生じぬ2段構えだ。
『ぐはっ・・・。くっ、痛いじゃないか、シャル・・・』
眉間にヒット。刺さるんじゃないかってくらいの威力だった。本が眉間に刺さり死亡。いくら書物が好きな私でもそんな死因だけは遠慮しておきたい。“意識体”であるため、死ぬなんて事はないがな。
『まったくもう、全然関係ないでしょうが。あとさっきの数字は忘れなさい、オーケー?』
『イエス、マム』
額に青筋を浮かべて半目で睨んでくるシャル。両手を挙げの降参ポーズで素直に頷く。
『そういうわけだ。現状での再召喚は結構なリスクを負うことになる。もし165cmになったら、ミョルニルで叩いて身長を無理矢理縮小しないといけないしな』
『いやーーーー! そんなことされたら頭蓋骨が粉砕骨折するよっ!?』
両手で頭頂部分を押さえてイヤイヤって首を横に振っている。あ、なんか可愛いな、それ。
『その前に雷撃で黒コゲ・・・のさらに前に吹っ飛ぶな。主に上半身が・・・』
“天槌ミョルニル”で軽くでも叩かれたら死ぬのは必至だからな。当然これも単なる冗談だが。つまらなかったか? あぁ、そうか・・・。
『ねぇ? さっきからルシル、私をからかってばかりなんだけど・・・?』
『落ち込んでいる君を心配してのことだ。素直に受け取っておいて損はない、と思う』
シャルは『うへぇ』って呻きながら円卓に突っ伏した。
『スモールな親切、ビッグなお世話だよ』
ルー○柴?とはツッコまない。ツッコミは私ではなく、はやての領分だからな。
『それに、だ。君は今の体で生きていたいだろ? なのは達と一緒に育ったあの体で、本契約が訪れて、そして終わるその時まで・・・』
『・・・そう・・・だね。うん、そうだ』
伏せていた体を起こして、本当に綺麗な笑顔を見せたシャル。あぁ、だからこそ必ず助けよう。
『だから安心して待っていろ。必ず治して起こしてやる』
『ありがとう、ルシル。あ、でも無理はしないこと。ルシルまで倒れたら、みんなをヤツらから守れなくなるから』
『ああ・・・』
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