暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
涙 〜Lacrimae〜
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6体の画像の中から、マモンとサタンの画像だけを消す。

『あのさ、ルシル。私、意識が落ちる前に見えたんだ。この女に重なるようにして嫌な笑みを浮かべたルシファーを・・・。この女がルシファーの剣を持つ理由・・・。もしかしたらなんだけど、ルシファーがこの女に取り込まれたんじゃないかな?』
 
『取り込まれた? どういう意味だ』

『ルシルって、ペッカートゥムの分裂体と戦った経験少ないでしょ? だから知らないと思うんだけど、ヤツら、斃れたペッカートゥムを吸収して強くなる、なんてことがあるんだ。たぶん今回もその可能性がある・・・と、思う・・・』

確かに分裂体との戦闘回数は、他の守護神に比べて圧倒的に少ないのは事実だ。私の契約は何でもありだからな。界律に呼ばれ、人間に呼ばれ・・・。その分、下位の“絶対殲滅対象アポリュオン”との戦闘がどうしても少なくなってしまう。

『それが本当だとすれば、ルシファーがどうして白髪の女に吸収されたか、だ。マモンやサタンのように私たちに斃された訳でもないのに・・・』

『・・・ルシファーと白髪の女の間に何かあった、ということ・・・だよね? 私の推測が当たっていれば、だけど』

判らないな。しかし放って置いていいようなものでもない。その辺りは慎重に構えておく必要があるな。色々と思考を巡らせている中、シャルにずっと見られていることに気付く。何か言いたそうな表情だ。

『・・・話変わるけど。私のダメージって・・・結構重い・・・のかな?』

視線を合わして数秒、囁くような小声がシャルの口から漏れた。私は腰掛けるロッキングチェアを揺らし、少し間を置いてから告げる。

『・・・君の容態は・・・・まぁ、悪い。あの剣には治癒阻害と魔力精製阻害などという阻害系の高位の概念が掛けられている。剣を君から抜いた今も、その概念に苦労しながら治療しているよ』

『そっ・・・か。いっそのこと一度死んで、再召喚された方が早いのかな・・・?』

『馬鹿か? そんなことをせずともちゃんと治してやるから安心しろ。それにすぐに再召喚が行われるとは限らない上、召喚時の姿もどうなるかも判らない。9歳になるかもしれないし、君の本来の体型として召喚されてしまう可能性もある』

『うっ・・・それは・・・おわぁ!』

背を大きく反らして背もたれに強くぶつかった所為で、シャルの座っているロッキングチェアが激しく揺れた。床に足を着くことで揺れを止めたシャルは、今度は軽く揺れるように優しく背もたれた。

『また9歳になったらどうする? 小っちゃくなっちゃったって言ってみるか?』

『う〜ん・・・』

どこぞのマジシャン風にそう言ってみた。シャルは真剣に考えているようだが、そうならないために治すと言っているんだよ、シャル。

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