暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
地上の悲劇
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服はボロボロで、上半身はほとんど裸の状態だった。

「・・・エリオ・・・キャロ・・・、ルシル・・・」

「フェイトさん・・・わたし・・・わたし・・・ヴィヴィオが・・・」

泣き続けるキャロのところにまで駆け寄って、私はキャロをルシルと一緒に抱き締めた。私が・・・私がもう少し早く来ていればこんなことにはならなかった。

「フェイト。キャロとエリオを頼む」

「ルシル!? そんな体で何するの!?」

「決まっている。六課が燃えている姿なんてもう見ていたくない」

ルシルは私たちに振り返らず、六課へと飛んだ。そしてここから見えたのは、六課を包み込んでいた炎が全てある一箇所に吸い込まれていき、遥か上空へと炎柱となって放たれて消えていった光景だった。

・―・―・―・―・

どこかの森の中、所々が砕け落ちた許されざる憤怒サタンが居た。サタンはルシリオンの攻撃をその身に受けながらも未だに存在していたのだ。彼は背を木に預け、もうどこにも無い右半身を崩れた目で見て、悪態をつく。

「ヤリヤガッタナ・・・ケッカンヒンノ・・・ヤロウ・・・」

そのサタンに近づく1つの影。

「・・・ア? ベルフェゴール・・・チョウドイイ。オマエノ・・・サイセイノチカラデ・・・オレヲナオセ・・・」

サタンの言葉に、ベルフェゴールは応えない。先程から微笑を浮かべ、無言を続けているだけだ。

「オイ・・・ベルフェゴール・・・ナニカイッタラ――オゴォアッ!?」

サタンの体が宙に浮く。ベルフェゴールの腕に心臓付近を貫かれて掲げ上げられているためだ。

「ナンノツモリダ!?・・・ベルフェ・・・ルシ・・・ファー・・・ダト!?」

先程まではベルフェゴールだった姿がルシファーとなっていた。左半分だけとなっているサタンの顔が驚愕に染まる。

「オマエハ、ベルフェゴールニ・・・マケテ・・・」

――死んだ。と最後まで口にすることは叶わなかった。今度こそサタンは消滅した。“力”だけを奪われて。ルシファーの姿が揺らぎ、次の瞬間にはベルフェゴールに戻っていた。微笑みは次第に深くなり、最後は大きく口を開けて笑いだした。

「ククク・・・ンフフフ・・・ハァーッハッハッハッハッハッ!」

ベルフェゴールを模したルシファーの笑い声は暫く止むことはなかった。


・―・―・シャルシル先生の魔法術講座・―・―・


ルシル
「こんな状況でもやらなければいけないとはな。
今回は休みとなるシャルに代わり、私ルシリオンがこのコーナーを取り仕切る。
そしてもう1つ。本来ならフェイトやなのはと言ったメンバーも参加するんだが、今話の事もあってみんなは不参加となった。申し訳ないが、今回だけは私1人だけとなる。さて、長々と男の話を聞いていても
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