第二十五話
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言えるのは赤ちゃんは望まれて産まれてくるからだろう。だから痛みにも耐えれるし、守ってもやれる」
「お父様達は化け物でも守るって言うんですか」
化け物という言葉に刹那が反応する。
烏族の里での事を思い出しているのだろう。
「あっ、違うのよ。せつなの事を言ったんじゃないのよ。私が......吸血鬼だから」
「えっ、姉上が......吸血鬼?」
「お父様が話してくれたの、お母様が吸血鬼で私も吸血鬼なんだって」
リーネは今にも泣きそうに震えながらもしっかりと刹那に説明する。説明しながらそれを受け入れようと妹である刹那を傷つける位なら自分が傷つこうと。
「だから」
「姉上は化け物なんかじゃない」
刹那が叫んだ。
「姉上はいつもウチやこのちゃんに優しくしてくれてる。母上だってそうや、それやのに化け物なんて言わんといて」
「せつな、でも私は」
「それやったらウチやってそうや」
そう言って羽を出す。今まではオレとキティの前でしか頑に出そうともしなかったのにも関わらず。
「見ての通りや、ウチやって烏族とのハーフで、羽が白いから、鎖でつながれて、痛い事されて」
刹那は自らのトラウマを抉りながらリーネが化け物でない事を訴える。
オレの娘達はこんなにも強くて他人を思いやる事が出来る。この娘達の為ならオレは誰でも敵に回せるな。オレはもう一度自分の守るべきものを再確認しながら二人を抱きしめる。
「お前達はオレとキティの娘で、オレたちは家族だ。他の奴らがなんと言おうとお前達は化け物なんかじゃない」
「お父様」
「父上」
「それにオレも普通じゃない」
一度二人を離し魔力を集める。
「我が身に宿りし大いなる意思よ。我が身を喰らいその身を示せ」
シンの身体に変わった姿を二人に見せる。
「どうだ、オレは化け物か?」
「「ちがう」」
「だったらそれでいいんだよ。化け物とは理性を持ちながらに誰かを己の欲望の為に蹂躙するものだ。リーネや刹那は誰かを襲うつもりは無いだろう。なら化け物なんかじゃない」
元の姿に戻り微笑んでやる。
「木乃香だってそういうさ。二人ともアレからあってないんだろ」
「「うん」」
「木乃香がどんな子かはオレよりも知っているはずだ。木乃香が二人を嫌うと思うか」
「「そんなことない」」
「なら、弟が産まれたら木乃香も来るだろうからその時に色々話してみたらどうだ」
「「分かった」」
「じゃあ、弟が産まれるまでゆっくり待とう」
それから数時間の間三人で産まれてくるのを待っていた。待ちながらこれからのことを説明する。といっても
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