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迷子の果てに何を見る
第二十四話
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「ええ、そうです。それではよろしくお願いします。おい、鎖を解け」

長の命令ですぐに鎖が解かれたのですぐにその子を抱きかかえて身体の状態を調べる。
気を失っており、完全に栄養失調で虐待の痕もある。筋肉もほとんど付いてない事からほとんど拘束され続けていたのがすぐに分かる。

「それではこれで失礼します。長、帰りましょう」

「えっ、ええそうですね」

里を出ると同時にゲートを使い本山まで戻る。

「詠春、この子はオレが引き取る。あと、烏族の里が一つ滅びるだろうが反論は聞かん」

「......分かりました。ですが、その正体だけは」

「分かっている。関西呪術協会には迷惑はかけない」











「キティ、戻ったぞ」

「おかえ、むっ、その娘はなんだ」

「引き取った烏族の子供だ。それより見てくれ」

子供をキティに渡すとオレと同じ様に色々と調べる。

「ここまでされる理由は何だ」

「普通の烏族は羽が黒いだろう。だが稀にだが羽が白い者も産まれる。そして霊格から言えば白い方が高いんだが、逆にそれが恐ろしく忌み子として扱われるらしい。......ようするに化け物扱いだ」

「潰すぞ」

「もちろんだが、その前にこの子の治療が先だ」

「ああ、分かっておる」

キティが魔法薬を取りに倉庫に向かう間にオレは布団を敷き、虐待の痕だけでも先に治しておこうと回復魔法を使う。しばらくすると少女が眼を覚ます。その瞳は紅く綺麗なものだった

「......だ............れ」

喋る事すらも許されていなかったのだろう。声がまともに発声されていない。

「オレかい、オレは君の新しいお父さんだよ」

出来るだけ優しい声で答えてやる。

「と......と、さ......ま?」

「ああ、そうだ。お母さんももうすぐ来るし、お姉さんも居るぞ」

「ほん......と」

「本当さ。疲れてるだろう、明日になったら会おうな」

「う......ん」

「名前はあるかい」

「......せ............つな」

「せつな、か。なら今日からは天流・M・刹那だ」

「う......ん」

「さあ、お休み。眠りの霧」

眠りの霧を唱え寝かせてやる。
眠りにつくと同時にキティが魔法薬を持って来た。

「聞いていたのか」

「ああ、私も賛成だ。この子には私の様に幸せになる権利がある」

「そうだな。まあ、今は治療と」

「バカどもの駆逐だな」













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