第二十四話
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はぁ〜い」」
「良い子で待ってたら明日は久しぶりにお菓子を作ってやるからな」
「「わぁ〜い」」
「じゃあ行ってくるからな」
「「いってらしゃい、(お)父様」」
娘に見送られてオレと詠春は本山を出て烏族の里に向かった。
「そういえば詠春。何で烏族の里に行くんだ」
「......ある子供を引き取りにいくんですよ。...........あなたが全力でキレる事が理由で」
嫌々ながらも詠春は答えてくれた。
オレが全力でキレる事?
『誇り』を穢される事、ではないな。
家族に手を出される事、でもないな。
後は、
「ふ〜〜〜、さて夜になるのを待つか」
「いや、待ってください」
オレがキレる最後の一つ。
化け物ではない者に化け物扱いする事。
「ああ、そうだな」
「よかっ」
「今使ったらその子まで殺してしまうな」
「お願いですから殺すのだけは勘弁してください」
詠春がその場で土下座して30分程説得してくるので化け物扱いされている子供の状況次第だと伝える。
そして烏族の里に付くとすぐに長の家に案内される。
「この度は我らの勝手な願いを聞いていただきありがとうございます」
「いえ、こちらも日頃お世話になっているのでこれ位の事なら」
「そう言って貰えると幸いです。おい、お待たせしてどうする。早く連れて来い」
「いっ、いえ時間はありますからそう急かさなくとも」
オレの殺気を感じ取ったのか詠春が冷や汗をかいている。
「まったく、ただでさえ半妖だというのに忌み子とは、まったく厄介なもんを残して行きよって」
「............」
詠春の冷や汗の量が半端ではない量になっている。それに対して烏族の長はオレの殺気にまったく気付いていない。面白いなこれ。
そんな事を考えていると鎖とそれを繋いでいるものを引きずる様な音が聞こえて来た。
「失礼します」
「おお、やっと来たか」
戸が開けられ入って来たのは鎖を持った烏族の男と鎖でグルグル巻きにされ、引きずられている髪も羽も白く、衰弱しきった一人の少女だった。
ブチッ
「その子が話にあった子ですね。じゃあこちらで預からせてもらいますね」
「えっ!?」
オレが敬語で対応した事に詠春が驚いているが今は無視する。
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