第二章 五話 アークネージ星
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ユニコーン ブリッジ
「よし、ゲイケット。これよりユニコーンは出港する。」
「了解だ艦長。機関室はエンジン出力調整、通常航行速度。」
新型艦載機、【ジェガン】を勢いで作った白野たちユニコーンメンバーは、整備士バークによってユニコーンにカタパルトが増設された時点を持ってしてこの惑星シャンプールから出港し、ネージリンスの首都星であるアークネージ星に向かう事にした。
艦載機を扱うのなら、とにかくパイロットが必要なのである。
ユニコーンは今まで艦載機を搭載した事のない艦なので、当然ながらパイロットクルーは乗艦していない。
だがしかし、ここネージリンスは幸運な事に小マゼランで一番艦載機に関するノウハウと普及が進んでいる国家である。
ネージリンスならば、腕のいいパイロットも当然いるであろう。白野はそうした凄腕パイロットをスカウトしたいのであった。
そして、クルー達と協議した結果とりあえずは人の最も集まる首都星でめぼしい人員を探す方針でまとまったのである。
スカーバレル海賊団の捕虜となっていたエルメッツァの化学者、ゴルドーもそこで下ろす事となる。
白野に師事するギリアスにしても、来た事のない宙域での情報収集は0Gドッグとして基本中の基本であるからして人と情報の集まる首都星に向かう事に異論などあるはずもない。
そんなわけで二隻の艦は揃って放棄された惑星、シャンプールを後にした。
*
ユニコーン ブリッジ
「………ふぅむ」
白野は艦長席に座って時折入ってくる首都星の情報番組を眺めている。
ここはネージリンスの本星宙域の中では比較的辺境であるが、なにせ銀河系を跨いで通信ができるほどの強力な通信システムも開発されているこの世界。ユニコーンのレーダー出力をもってすれば電波を拾う事などたやすいのである。
画面の上ではニュース番組のキャスターが記者会見場らしき場所でマイクを片手にネージリンスの軍服を着た恰幅のいい男にしきりに質問をしている。
ニュースの見出しを見てみれば、早い事にもうスカーバレル海賊団の出現がなくなった事を示す記事が踊っている。
交易関係者もこぞって止めていた輸送船団を発進させ、ネージリンス宙域にまたかつての賑わいが戻ると大真面目な顔でニュースキャスターが言っている。
続いて白野は別の番組にチャンネルを変えた。
取り留めのない料理番組である。
またチャンネルを変えるも、白野の興味を引くような番組はどうも放送されていないようだ。
仕方なく白野は艦長席のコンソールパネルを操作して彼用のデータベースを開き、そこに保存されている彼がこれまでなんとかかんとか少しづつ開発を続けている切り札的究極戦艦【グランカイアス改級戦艦】の青写真である。
まだまだ完成には程遠いとはいえ、この時点で組み上げ
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