第二章 五話 アークネージ星
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く返答をしなかったがやがて首を振った。
「いや、俺が出ても確実に勝つだけでつまらんだろう。どうせやるなら......激しく火花を散らせるような強敵としのぎを削りたいものだ。小マゼランの艦は敵手としてはつまらん。」
知らないものが聞けば大言壮語か寝言の類に聞こえるだろうが、しかし白野は実績と実力によってそれを事実としてしまえるのである。
ゲイケットはそれを聞いて納得したのかそれとも別に思うところがあるのか、ともかく何も言わずにグラスを傾ていた。
*
アークネージ 酒場
それから数分後、白野はバークとエーヴァが話し込んでいるのを見つけた。なかなか珍しいコンビである。
エーヴァは医務室でクルーを待ち受けているし、バークはバークで整備庫で工具を振り回しているからこの二人が顔を付き合わせることはあまりない。
「新型のICUですか?......できないことも無いですけど......一応設計図と素材が要りますよ?素材は問題ないでしょうけど......」
「ああ。それで構わない。そろそろ備え付けのICUが老朽化してきたからな。小マゼランでそれほどの被害が出るとは思えないが用心にしておくにこしたことはないさ。」
「それで、設計図は?」
「このアークネージには海運病院があるそうだ。私の大マゼランの頃のツテで最新式の設計図を用意してもらうつもりだ。」
「ツテ、ですか。」
「うむ。ツテだ。」
「わかりました。じゃあ、だいたい三日あればできるはずですから、後で部屋に設計図のデータを送っておいてください。完成したら呼びますから。」
「ああ。よろしく頼む。」
とまあ、こんな感じで医者と技術者の話は無味乾燥で終わった。
終わったかのように思われた。
続く
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