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宇宙を駆ける一角獣 無限航路二次小説
第二章 五話 アークネージ星
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あり、周囲の航行環境は極めて安定しておりボロ船や小惑星破壊レーザーすら搭載していない武装なしの商船でも外的要因で事故になる事は滅多に無い。
その辺りもこの宙域がカルバライヤの領土拡大に合わせて首都を移転せねばならなかったネージリンス側に都合が良かったのだろう。
事実、この宙域は経済が活発化しており、小マゼランの大手企業の本社や重要な工業惑星、社員教育センターなどが無数にチャート上に表示されているのだ。
以前白野が訪れた人口惑星アミタスも、元々は移民が前提で建造されていたものであり、それこそ新しい工業惑星にでもするつもりだったのかもしれない。
スカーバレルがこの宙域から消え去った今、ワレンプス大佐率いる艦隊もあそこを引き払いアミタスは本来の役割である移民者達の揺籠へと姿を変えるだろう。

さてそんな経済と政治が絡まった複雑な結末を意に介さず、0Gドッグとしての生き方を続ける男、白野はユニコーンの展望室で星々を眺めていた。
安定した宙域なので航行はオートに済ませているのだ。
四六四十気を張っていてはいかな頑強な精神を持つ宇宙の男と言えども疲労はまぬがれ得ない。
時たまにはこうした息抜きも必要であった。

片手に持ったパンモロ肉のジャーキーの袋から長い一本を取り出してガリガリと咀嚼する。
これで手元にビールでもあれば酒好きの白野にとってこの上なくグッドな状態なのだが、オートにしているとはいえまだ白野のシフト時間であるため飲酒は厳禁である。

白野の目線の先にはもはや遠くの光点でしかなくなった惑星シャンプールがある。
いろいろとあったが、やはりユニコーンのカタパルト搭載が最も実りある成果であったと言っていいだろう。
バークはいい仕事をしてくれた。
それに、ジェガンを作り上げる始末である。
大きさはなんと20メートルクラスなのでギリギリでサイズ1。最大サイズのサイズ1艦載機は大マゼランの【シヴィル】のやはり20メートル。ユニコーンのカタパルトに隣接しているスペースに載っけられる格納庫のモジュールの合計積載量は30なのでジェガンを最大で30機運用する事ができるのだ。

今まで使った事のなかった艦載機......そして、記念すべき始めて運用する艦載機はモビルスーツ......白野は今後に思いを馳せながらやはりパンモロ肉のジャーキーをガリガリと咀嚼した。



バウンゼィ 艦長室

さてその頃ギリアスは己の牙を研ぎ澄ますためさきのシャンプールでの白野とユニコーンの戦闘データを詳しく検証していた。
彼は確かに才能溢れる期待の新人ではあるが、白野との間に存在する【経験】という名の圧倒的な差はちょっとやそっと研究したり艦船を強化した程度では埋まるどころか更に深くなる事必至である。
しかし、学び取れるものは確かにあるのだ
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