Development
第二十六話 転校生
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さんがクラスメイト全員に頭を下げたらしい。まだ高飛車なところは変わらないみたいだけど、試合の結果もあって代表としてクラスに認められたようだ。
織斑君ともあれから仲良くしているようで、そのせいで箒さんと険悪な雰囲気になったとか。
う〜ん、箒さんとはこれをきっかけに仲良くなって欲しいんだけどな。織斑君に依存しているように見える彼女にはほかに頼れる友人を作って欲しいと思うんだけど……難しいかな。彼女からしたらオルコットさんはライバルに見えるかもしれないし。
でも、是非織斑君にはオルコットさんをノーマルに留まらせて頂きたい。ミュラー先生みたいな道に進ませないで欲しい。
え、ミュラー先生のお仕置き? あはは……思い出したくない。あれはいろいろ危なかった……。
それから一週間くらいは僕はミュラー先生と目を合わせることができなかった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「はぁ……」
この日、僕は何度目かのため息を吐く。
オルコットさんとの試合以来、簪さんの様子がおかしい。ちょっとは改善されたと思った関係も以前のようにほとんど会話の無い状態に戻ってしまった。それに加えて、何かに憑りつかれたように専用機の開発に没頭している。
原因は……やっぱり試合かなぁ。僕だけじゃなくて織斑君の試合も見て思うところがあったのかもしれない。ちゃんと話をしようにも取り合ってくれないからどうにもならない。また以前みたいにきっかけが必要かな。
加えて……箒さんも悪化した気がする。簪さんと違って、会ったりすれ違ったりしたときは挨拶や目礼くらいはしてくれるんだけど、織斑君にほとんど付きっきりになっている。僕が近くにいるとすぐに距離を取ろうとするからあれからまともに二人とは会話できていない。
最近はオルコットさんもその二人に加わって、三人でいるところを見かける。まぁ、彼女の場合は他のクラスメイトとも今はうまくやっているみたいだし、僕のところにもたまに話に来てくれる。
……僕の呼び方は変わってないけどね! 一度クラスに来て『お姉さまはいらっしゃいますか?』って言いだして、クラス中から視線を浴びたよ……。しかもそれを聞いた高島さんと小鳥遊さんがなんだか嬉しそうにしていたのが気になる。
「……はぁ」
まぁ、そんなことを考えても気は晴れない訳で。
暗鬱な気持ちで集中できないため、日常となっている道場での素振りを少し早めに切り上げて校舎へ向かう。まだ時間が早いため、歩いている生徒はほとんどいない。
「ねぇ、ちょっと。そこのあなた!」
入口に差し掛かったところで急に声を掛けられる。周りに人がいないため、僕に対してだとわかった。
振り返ると、そこには見覚えのない艶やかな黒髪をツインテールにした小柄
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