第二十四話 新たなる局面
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防戦一方のこの状況。
苛烈なバーサーカーの攻撃に今のアーチャーでは対抗できない。
「――――あ…」
アスナの口から声が漏れた。
何を口に出そうとしたかは定かではないが、この状況をアスナは黙って見ていられなかった。
頭を瞬時に切り替える。
「(…令呪……!!)」
今、使うしかない。
アスナは令呪を使用する決心を付けた。
左手を掲げ、命令を下す。
だが、
「〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
アーチャーの一瞬のふらつく動作を見せた瞬間、バーサーカーからのプレッシャーが上がった。
裂帛の気合と共に振り上げた剣。
アーチャーを防御ごと吹き飛ばそうという大振りの一撃だ。
――――――――間に合わない。
今、命令を下したとしてもバーサーカーの剣はアーチャーの防御する双剣を砕き、脳天へ一撃喰らわせるであろう。
一瞬の油断が命取りの世界で、アスナの判断はあまりにも遅かった。
アーチャーは衝撃に耐えるべく、双剣を身構える。
そして、バーサーカーの剛剣がアーチャーへ振り下ろされた。
「|風王鉄槌|《ストライク・エア》!!」
予想していた一撃は来なかった。
代わりに、目の前で剣を振りかぶっていたバーサーカーが衝撃で吹き飛ばされている。
アスナは、一瞬の出来事に目を白黒させる。
「アスナ!!」
不意にかけられた声で、アスナは意識を取り戻した。
後方から駆けてくる足音が聞こえる。
「ご無事ですか」
アスナへと駆けよる女性。
セイバーはバーサーカーを意識しつつ、油断なく剣を構えながらアスナへ声をかけた。
「―――セイバー……さん?」
アスナは隣に立つ女性を確認すると、力なく体が崩れ落ちた。
「大丈夫か?」
セイバーの蔭から、線の細い男性が現われる。
黒いロングコートを身に纏った彼は、自らも片手剣を構えてバーサーカーを見つめている。
「キリトくん……」
セイバーのマスター……キリトはアスナの身を案じつつも、隙を見せないように警戒している。
「随分とボロボロですね、せっかくの|色男|《ハンサム》が台無しですよ」
「……君はいつからそんな軽口を叩くようになったんだ、セイバー?」
セイバーはアーチャーの隣に立つと、アーチャーへと冗談めいた言葉を言う。
キリト・セイバー組とアスナ・アーチャー組が、いつ出会ったかはここで語る事はないが、いずれ語る事にしよう。
いずれにしても重要なのは、彼等は敵対する訳でなく、互いに協力関係を結んでいるという事だ。
そして、セイバー組がこの場に参戦したという事で、状況ががらりと変わった。
セイバーは前に歩み出て、剣を構えた。
「…er…」
バ
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