第二十四話 新たなる局面
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いた。
元々、このSAOには魔法というものが無い。
そのため、魔力という概念自体は存在していない。
だからサーヴァント達は、自らが体内で蓄えていた魔力のみで戦いを挑む事になる。
とは言っても、宿などで一晩休めば魔力自体は自然に回復するし、戦いさえしなければ魔力が自然に無くなるという事にはならない。
だが、このような状況では魔力がいくらあっても足りない。
アーチャーの投影には少なからず魔力が必要である。
また、連続で投影するとなると、かなりの魔力が必要となる。
アスナ自身もアーチャーに以前指摘されて、“魂の改竄”では魔力の底上げもしっかりしていた。
だが、それでも足りない。
アーチャーもそれを考慮していたが、如何せんバーサーカーの剣技には隙が無さ過ぎる。
確実に此方のウィークポイントを捕らえてくるので、防ぐのがやっとの状況でもあった。
さらには、捌き切れなかった剣のせいで、確実に相手は此方にダメージを与えている。
状況は悪化の一途をたどっていた。
「……ッ!!」
双剣でバーサーカーの剣を防ぐが、勢いに負けそのまま後方へ吹き飛ばされてしまう。
何とか着地しするが、またしても手に持つ双剣は砕ける。
アーチャーはアスナの目の前でバーサーカーを睨みつけた。
「……マスター、このままではジリ貧だ。些か勿体ないが令呪で撤退すべきだ」
アーチャーはアスナにそう問いかける。
それについては、アスナも考えていた。
サーヴァントを強化させ、ブーストとしての機能も発揮する絶対的な命令権でもある令呪。
その力を今ここで使うべきではないかと、アーチャーは判断した。
だが、アスナはその事にすぐ頷く事が出来ないでいた。
今この場で三つしかない令呪を使ってしまっていいものか。
今後の攻略の事を考えても、取っておくべきではないのか。
そう頭をよぎる。
しかし、その一瞬が命取りとなった。
「〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
バーサーカーが雄叫びを上げて、アーチャーに突進を仕掛けた。
「…ッチ…!」
舌を打ちながら、アーチャーは双剣を交差させてバーサーカーの剣を受けた。
だがそれだけでは終わらない。
もう一方の手に持った、二振り目の剣がアーチャーに向けて横薙ぎに振り抜かれた。
体を捻じるように剣をかわすアーチャー。
だが、完全にはかわしきれずにアーチャーの腹部に、一本のエフェクトが奔った。
「ぐっ……!!」
アーチャーは苦悶の表情を浮かべるも、すぐに臨戦態勢を取る。
隙を見せてはいけない。
「アーチャー!!」
アスナの悲鳴が木霊する。
アーチャーはその声に答える余裕も持っていなかった。
ダメージの蓄積と、魔力の枯渇。
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