暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
動き出す使者 〜後編〜
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「こっちは最悪だ。召喚士一味には逃げられた上にケースまで取られた。逃走経路も掴めねぇし。迂闊だった」
ヴィータ副隊長が沈んだ声で、隊長たちと連絡を取ってる。けど、あたし達は言わないといけないことがある。あるんだけど、ヴィータ副隊長の放つ重い空気にたじろいでしまう。
「あ、あのー、ちょっとお話があったり・・・」
ギンガさんに急かされたスバルがヴィータ副隊長に声をかけるけど、邪魔すんなって意味が籠められた“グラーフアイゼン”がスバルに向けられた。どんどんヴィータ副隊長が沈んでいくのを見て、早く言わないといろいろとまずい気が。だから今度はあたしが意を決して口に出す。
「副隊長・・・あの、大切なお話がありまして・・・」
「報告中だ、後にしろっ!」
こ、恐い。けどここで言わないと、きっとあとでさらに恐いことになる。だから後々ヴィータ副隊長に何かを言われる前にさっさと切り出さないと。あたしが「レリックには、あたし達で一工夫をしてまして・・・」って切り出すと、ヴィータ副隊長もようやく話を聞いてくれた。
ヴィータ副隊長の前に集まって、あたし達がレリックに施した工夫の説明を始める。ケースからレリックを取り出して厳重に封印処置を施し、ケースを囮にしたって事を。本当ならケースごと騙したかったんだけど、あたしの幻術は衝撃に弱いから断念。
「――ということで、ケースの中身であったレリックは・・・」
スバルがキャロの被っている帽子を手に取る。キャロのカチューシャの上に一輪の花が咲いている。ヴィータ副隊長がそれを確認したのを見て、あたしは指を鳴らす。すると花はレリックへと変わった。これがあたし達がレリックに施した一工夫だ。
「僕たちの中で一番敵と接触する可能性が低いだろうキャロに持っててもらうことにしたんですけど・・・」
説明を終えると、リイン曹長は「やりますね〜♪」って感嘆の声を、ヴィータ副隊長は「はは、はははは」乾いた笑い声を・・・あの、大丈夫ですか? あたし達はどうしていいのか分からず、ヴィータ副隊長が復活するまで待つことにした。ヴィータ副隊長の力のない笑いが続いている中、
「みんなも無事にレリックを回収したみたいでよかった・・・」
上空からルシルさんの声が聞こえた。あたし達は空から降りてきたルシルさんへと視線を移した。けど、ルシルさんの姿を見て絶句。ルシルさんの姿は、別れたときと違ってボロボロだった。
「「「「「ルシルさん!?」」」」」
「セインテスト!? ちょっ、お前、大丈夫なのかよ、それっ!?」
「す、すぐにシャマルを呼んで――」
さっきまでの雰囲気が一気に消し飛んだ。それほどルシルさんの見た目が酷かった。綺麗だった髪は短くなっているし、髪も顔も服も血で赤く染まってる。
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