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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
聖者の右腕篇
02.観測者
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のような雷撃。
制御不可能な巨大な稲妻が地上の建物を薙ぎ払い、生み出された暴風となって吹き荒れる。
「あのバカァ! なにしてやがんだ!」
稲妻と粉砕される建物の破壊音に掻き消されながらこの場に合わない声が響く。
雪菜は、雪霞狼の結界で瀕死の男を守りながら上空を見やる。そこには、荒れ狂う稲妻と暴風の中、人影が地上に降ってくる。
その後ろにいるもう一つの黒い影。
それは、巨大な鳥。
その鳥が地上の古城の周りの光に激突した瞬間、青白い光を放ち地上の光が姿を消す。
先ほどまで巨大な雷も、暴風も、何もなったように綺麗に消滅する。
建物の崩れた時に生じた砂煙が晴れるとそこにいたのは、見覚えのある少年だった。
古城とともに行動をしていた少年、緒河彩斗の姿だ。
「これが……第四真祖の眷獣かよ……アテーネも同時に消滅するとか相変わらずだな」
彩斗は、頭を右手で掻きながらかなり気怠そうに雪菜のもとに歩み寄る。
「大丈夫か、剣巫殿」
雪菜は驚きを隠せない。
彩斗という人間がよくわからないのだ。
第四真祖である古城と一緒に行動をしており、雪菜のことを獅子王機関の剣巫だと知っている。それよりも驚愕なのは、第四真祖の眷獣を消し去ったあの鳥を従えていることだ。
あれは間違いなく眷獣だ。
「あなたは一体、何者なんですか?」
雪菜が雪霞狼を握りしめながら訊く。
すると少年は、先ほどよりも“気怠そう”というよりは、“無気力な”顔と眠そうな細い目で睨む。
「俺は、その
暁古城
(
バカ
)
の友人だ」
その回答に雪菜は、少し動揺する。
動揺する雪菜に彩斗は、古城の方に指を指し、大きなあくびをしたのちに言う。
「それじゃあ、姫柊……そのバカは頼んだぞ。……あと、俺のことはまだ、古城には秘密でよろしく。んじゃぁな」
彩斗は、手を振りながらその場から立ち去って行った。
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