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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
聖者の右腕篇
02.観測者
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れた。
そして古城がたどり着いた時には、眷獣はすでに倒れ、雪菜は謎の男と戦闘の真っ最中だった。
「で……結局、こいつらはなんなんだ?」
「わかりません。あの男は、ロタリンギアの殲教師だそうですが……」
武器を失った法衣の男を睨んで、雪菜が答える。
「ロタリンギア? なんでヨーロッパからわざわざやってきて暴れてるんだ、あいつは?」
「先輩、気をつけてください。彼らは、まだ……」
雪菜の警告の前にケープコートの少女だ立ち上がる。その背後には虹色の眷獣が実体化したままだ。
「先ほどの魔力……貴方はただの吸血鬼ではありませんね。
貴族
(
ノーブルズ
)
と同等かそれ以上……もしや第四真祖の噂は真実ですか?」
破壊された戦斧を投げ捨てる。
その殲教師をかばうように、前に藍色の髪の少女。
「
再起動
(
リスタート
)
、
完了
(
レディ
)
。
命令を続行せよ
(
リエクスキュート
)
、“
薔薇の指先
(
ロドダクテュロス
)
”──」
「やめろ、俺はべつにあんたたちと戦うつもりは──」
「待ちなさい、アスタルテ。今はまだ、真祖と戦う時期ではありません!」
古城と殲教師が、同時に叫ぶ。
だが、すでに宿主の命令を受け止めた眷獣は止まらない。虹色の鉤爪を鈍く煌めかせ、古城を狙う。
「先輩、下がってください!」
槍を構えた雪菜が、古城を突き飛ばし、飛び出す。
だが、その動きを予知していたようにもう一本の腕が少女の足元から、放たれた。地面をえぐるように飛来した右腕に反応が遅れる。
「姫柊!」
古城が咄嗟に雪菜を突き飛ばす。雪菜は為す術もない吹き飛ぶ。目標を見失った右腕が眼下から、そして左腕が頭上から古城を襲う。
「せ、先輩っ!? なんてことを──!」
受け身をとった雪菜が、体勢を立て直す。
「ぐっ……!」
拳を握り古城はかろうじて迎撃。だがそれは右腕の話。そして頭上からの攻撃を避けきれず古城の腕から、鮮血が散る。
そう思われた瞬間、古城が叫んだ。
「待て……やめ……ろおおおおお────!」
その声は、敵では自分自身に向けられているようだった。
古城の瞳が真紅に染まり、喰いしばる口元から牙がのぞく。
そして傷ついた彼の腕から迸ったのは、鮮血ではなかった。
肌を裂くようなにして出現したのは、目も眩むような青色い輝き。灼熱の閃光が視界を埋め尽くす。虹色の眷獣が弾け飛ぶ。
「ぬ、いけません……アスタルテ!」
殲教師が人工生命体の少女に向けられた怒号は、爆音にかき消される。
古城の腕から放たれたのは、実体化した濃密な塊。すなわちそれは眷獣と呼ばれる存在。だが、その眷獣は次元を超えている。
それは全てを破壊する嵐
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