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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
動き出す使者 〜前編〜
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分裂体は悉くこちらの予想を上回る。

「・・・仕方ない・・・か」

クロノやはやて達には悪いが、神秘にSSSランクの魔力を上乗せさせてもらおう。魔力と神器の両方の神秘を相乗させればもう防げまい。

「第三級断罪執行権限・・・かい―――がっ!?」

SSSランクの魔力を使用するための執行権限(リミッター)を解放しようとしたところで、いきなり背後から首を掴まれ、仰向けになるようにして地面に叩きつけられた。叩きつけられた衝撃の後、浮遊感がこの身を襲う。どうやらあまりの威力だったためにバウンドして空中に跳ね上げられたようだ。

「っうぐ、がはっ・・・まだ・・・いたのか・・・?」

――傷つきし者に(コード)汝の癒しを(ラファエル)――

宙で体勢を整え、地面に着地して治癒魔術を発動。今負ったダメージを瞬時に回復させる。

「もう面倒だから出てきたけど別にいいよね、アスモデウス?」

私を地面に叩きつけた少女が、真紅の女のことをアスモデウスと呼んだ。許されざる色欲アスモデウスは、“大罪ペッカートゥム”の内、2番目に重い罪とされる存在だ。もちろんその実力も2番目となる。

「まぁいいわ。フフ、どう、界律の守護神(おまえたち)が最弱と勝手に決めつけた私たち大罪(ペッカートゥム)の強さは? 守護神状態ならいざ知らず、今の人間(おまえ)に遅れを取るような大罪(わたし)たちじゃないわ」

「・・・干渉能力の戦いなら・・・わたし達は・・・確かに弱い。だけど・・・干渉がお互い使えないなら・・・第四の力(くろいろ)にだって・・・勝てる」

「そういうわけだからさ、さっさと逝っちゃってよ欠陥品」

色欲アスモデウスに嫉妬レヴィヤタン。そして新手の少女が私を中心として三角形の陣形を取る。確かにヤツらの言い分は尤もだが、解っていないのはお前たちも同様。分裂体もまた私たちと同様その身の霊格が落ちることになる。だからこそ干渉能力だけでなく神器程度の神秘でダメージを負うことになっている。それゆえに・・・今の私とシャルでも貴様たちに勝てるんだよ。それを思い知れっ。

「我が手に携えしは確かなる幻想」

いつでも複製武装や術式を取り出せるようにしておく。

――目醒めよ、我が(うち)なる世界が一つ――

“闇の書事件”の際に発動した“聖天の極壁ヒミンビョルグ”とは違い、完成品である“神々の宝庫ブレイザブリク”や“英雄の居館ヴァルハラ”の2つには詠唱が必要となる。それが展開する場合でも取り込む場合でも、だ。
今回は展開ではなく取り込む方にする。展開すれば地上に居るみんな、下手をすれば地上本部に気付かれる。普通ではない魔力反応を。現象を。私を。そうなれば“機動六課”に多大な迷惑が掛かる。最悪、今まで私たちと関わっ
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