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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
動き出す使者 〜前編〜
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レヴィヤタンがそう呟き、コツコツと靴を鳴らして歩く。視線は私へ。歩く方向は私に対して平行に。そして、「早く・・・消えて・・・」と呟いた。私は一切レヴィヤタンから視線を逸らさなかった。なのに「っ!? 速――」レヴィヤタンの姿を見失った。驚いたことにレヴィヤタンは90m近くあった距離をノーモーションで一瞬に詰め、私の真横へと現れた。用意しておいた“極近未来視”のスキルですら追いきれない。それどころか目にも映らない。

「チッ、捕らえよ、ドローミ、レーディング!!」

レヴィヤタンを覆うように奴の周囲から大小様々な鎖を出現させる。2つの捕縛神器による全方位からの襲撃。レヴィヤタンが回避行動に入り、目で追いきれないほどの速さで離れていく。だが捕縛神器の波状襲撃によって次第に追い込まれていく。

「・・・捕まった・・・」

ようやくレヴィヤタンのその幼い体に何重もの鎖が巻かれ、その周囲も“ドローミとレーディング”で覆われている。私はトドメを刺すために、表層世界最高の神秘を持つ“神槍グングニル”を左手に具現させる。

「私がいるってことを忘れてるんじゃないの!」

真紅の女がそんな当たり前なことを言いながら攻撃を仕掛けてくる。右手に持つ“星填銃”の銃口を向けてさっきと同じ砲撃を放つ。

「同じ手は通用しないってことを教えてあげる!」

真紅の女は大鎌を前面で回すようにして砲撃を防いだ。私としてもそう簡単に斃れてくれるとは考えていない。

「・・・神槍(グングニル)!!」

能力を解放せずとも内包している神秘は絶大。分裂体を消滅させるには十分すぎるほどにだ。最強最高の“グングニル”を、未だに砲撃に対処している真紅の女へと投げ放つ。

「まず1体目。そして・・・お前もこれで終わりだ、レヴィヤタン」

右手の“星填銃”の銃口を今度はレヴィヤタンに向けて・・・砲撃を放つ。これでまずは2体の消滅、となるはずだった。

「・・・甘い」

「全然ダメ」

「なにっ!?」

これもまた油断だったのだろう。真紅の女は左手に持つ大鎌で、“グングニル”を砲撃同様弾き返した。あの大鎌も結構な神秘を保有しているようだ。“グングニル”程の神器を弾き返せる武器など、まず存在しえないのだから。

「欠陥品はどこまで私たちを甘く見ればいいのかしら?」

手元に戻ってきた“グングニル”を掴み取る。真紅の女が笑みを浮かべる。それにしても“アポリュオン”が神器と同じような神秘を持つ武器を持つとは・・・。

「・・・このくらいの神秘じゃ・・・わたしは斃せない・・・」

2つの捕縛神器を引き千切り、なおかつ持っていたクジラのぬいぐるみで砲撃を防いだレヴィヤタン。悪用されてはまずいため、神器を一度魔力に戻す。まったく、今代の
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