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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
動き出す使者 〜前編〜
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タン。そしてもう1体は全てが真紅という女で、自分の身長を超える大鎌を手にしている。その女を見て思い出すのは、あの小さな少女が言っていた“赤いお姉ちゃん”という言葉。スカリエッティからの受信専用の通信機を少女に渡したのはこの女だろう。

「ルシルさん・・・」

ヤツらを見て怯え始めたフリードを抱きかかえながら、キャロが私の名前を呟く。キャロも震えている。そして他の子たちを同様。おそらく本能――魂が危険だと告げているんだろう。

『君たちは先に行ってケースの確保を優先してくれ』

『『『『・・・はいっ』』』』

『そんなっ! あの2人は明らかに危険です! 私たちも・・・!』
 
私の念話に唯一反論したのはギンガ。そうか、ギンガは“ペッカートゥム”や“レーガートゥス”のことは知らなかったか。

『ギン姉、魔導師(あたし)達じゃあいつらは倒せない。ううん、傷つけることだって出来ないんだ』

『え? どういうこと・・・?』

『詳しい説明はあとだギンガ。君たちは一刻も早くケースのある場所を目指せ』

レヴィヤタン達から庇うようにして前に出る。ギンガは躊躇っているようだが、スバル達との念話で説得されたのか渋々従った。

「そんな窮屈な肉体(うつわ)に入れられて大変そうね、欠陥品」

真紅の女が私をまじまじと見て面白そうに笑った。欠陥品。不完全な“界律の守護神テスタメント”である私とマリアを指す蔑称だ。

「いやいや、人間(これ)人間(これ)で楽しいんだよ、二級品」

こちらも“絶対殲滅対象アポリョオン”の番外位であるヤツらの蔑称である二級品で応戦。レヴィヤタンの表情は変わらないが、真紅の女は笑みを浮かべたまま止まっている。そして真紅の女の姿が掻き消え、一瞬で私の背後に回ってきた。が、シャルより――それにフェイトよりはるかに遅い。神器・“星填銃”に魔力を流して神秘の弾丸を生成、振り向きざまに至近距離からの特大砲撃をお見舞いしてやる。

「いっっっっけぇぇぇぇっ!!」

魔力ではなく純粋な神秘の一撃。完全体である“ペッカートゥム”状態ならいざ知らず、分裂体である今なら、概念兵装の一撃でも十分ダメージを与えられる。閃光が途切れ、視界がクリアになる。

「なるほど・・・確かに速い、な。レヴィヤタン・・・」

かなり離れたところに真紅の女の襟を掴んでいるレヴィヤタンが居た。“星填銃”の砲撃が真紅の女に届くより先に移動、そして真紅の女と共に射線上より離脱。確かに陸戦機動力ならシャル以上であるのは間違いなさそうだ。だが、その速さに対処するための・・・複製スキルが私にはある。

「我が手に携えしは確かなる幻想・・・!」

――未来よ、過去なる我が眼に来たれ――

第四の力(くろいろ)・・・
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