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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
動き出す使者 〜前編〜
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ていたクロノやリンディ統括官にも、だ。それだけは避けたい。

――其は美しき黄金に輝きたる館――

「無駄なあがきは止しなさい」

アスモデウスが大鎌を振り、神秘の衝撃波を放ってくる。

――五百四十の扉、槍の壁、楯の屋根、鎧に覆われた長椅子、彷徨いたるは狼に鷲――

その次の行動は魔眼で判明しているため、回避ではなく“星填銃”の弾丸で迎撃する。

――館に住まうは我が(うち)に在りし神秘の幾多の主――

そうとは知らず突っ込んできたアスモデウスの眉間に銃口を押し付ける。だが、「させないっつうの」3体目の“ペッカートゥム”が腕を払い、巨大な斬撃を撃ちだす。未来視のスキルがこの少女の次の動きを見せてくれる。今度はそれを回避して、カウンター気味に再度具現させた“グングニル”で斬りつける。

――契約の下、出でよ英雄の軍勢――

少女は前髪を少し切られるほどのところで後ろに跳躍、難を逃れた。アスモデウスもまた銃口から逃れて私から大きく離れた。やはりレヴィヤタンだけが異常な速さを持っているようだ。これなら何とかなる。

「・・・一気に・・・決める・・・」

レヴィヤタンのその一言に背筋が凍る。本能が、今から放たれる一撃を避けろと全力で告げてくる。魔眼が次に起こる災厄を映し出す。

(冗談だろ・・・これが、最弱の有する神秘なのか・・・?)

「・・・deus caedere・・・」

レヴィヤタンから紡がれた言葉は「・・・神殺し、だと・・・?」という意味だった。この空間一帯を照らし出すようにすみれ色の閃光が爆ぜる。私はスキルのおかげで、ギリギリ有効範囲外にまで退避できた。

「ぐっ・・・もう時間が・・・」

スキルの使用限界時間となり、強制的にスキルが解除された。

――拒みし者を蹂躙せよ、罪ある者を断罪せよ、助け求める者を救済せよ――

だが詠唱も間もなく終える。未だに3体とも私の居場所に気付いていない。これで私の勝ちだよ、“ペッカートゥム”。

「そうでもないんじゃない?」

「チッ」

背後に現れたのはレヴィヤタンとアスモデウスの2体。すぐさまその場から離脱して、“星填銃”2挺の銃口を向ける。だが2人は何のアクションも起こそうとしない。それだけじゃない。アスモデウスが手にしていた大鎌が今は無い。

「いらっしゃい」

離脱後の場所には、私を待ち構えていたかのように少女が大鎌を構えていた。そして間髪いれずに横一線にその大鎌を振るった。目に映るのは私の首を狙った必殺の凶器。













――許されざる強欲たるマモンの振るった大鎌によってその場に銀髪が舞い、そしてルシリオンの首が飛んだ。

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