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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
ティアナの想い・なのはの願い
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†††Sideルシリオン†††

「――そうか、向こうでそんなことが・・・」

私に用意された個室で、任務地であるホテル・アグスタで起きた事のいくつかをシャルから聞いていた。まずはティアナのミスショット。彼女の訓練を見ていると、どうも焦りのようなものを感じていた。それが現場にまで出てしまったらしい。焦りからのミスへの憤りもあるが、まずはみんなが無事に帰って来た、というのが重要だ。

(ティアナの焦りについてだが、おそらく兄のティーダ一尉のことが関係しているんだろう・・・)

亡くなる以前はそれなりの階級と実力を有するエリートだったティーダ一尉。しかし、彼が亡くなった原因である事件の後、彼の上司がメディアに向かって言い放ったカスみたいなコメント。思い出しただけでも頭に来る。あのときは階級とか無視して殴り飛ばしに行こうかとも思ったものだ。

――犯人を追い詰めながらも取り逃がすとは、首都航空隊の魔導師としてあるまじき失態。たとえ死んでも取り押さえるべきだった――

これならまだ酷いと言えるだけのコメントだ。だが続けて言い放った、任務を失敗するような役立たずなら死んでいなくなっても構わん、・・・殺してやろうかと思った。ティアナの心情を思う。どれだけ考えても私はティアナ本人じゃないため、ただ思い考えるだけだが。
ティアナは当時、まだ幼い10歳だったはず。たった1人の家族を半ば殺されたと言っても過言じゃない形で亡くした。そのうえ大切な家族が死に物狂いで果たそうとした最後の仕事を、無意味で役に立たなかったと言われてしまった。

(かつて人の上に立っていた私だ。だからこそ言える。殉職した部下に対し、そのような事は絶対に言わない)

一体どれだけの傷を心に付けられたのだろうな。そして彼女は誓ってしまったんだろう。ティーダ一尉が遺した魔法は決して役に立たないものじゃない事を。ティアナは今も頑張って努力し、早く証明したいがために焦っている。おそらくこんなところだろうが、早めにティアナの焦りをどうにかしておかないとまずいな。
そして次に・・・

「――甘く見ていたとはいえ、今代の許されざる嫉妬――レヴィヤタンはかなりの機動力だった。閃駆や居合い、魔術で与えられたのは八撃、でもその全てが致命傷じゃない」

「馬鹿な。今の君の攻撃を回避するとは一体どれだけの速さを持っていると・・・?」

許されざる嫉妬レヴィヤタンとの戦闘について。話を聴く限りだと、明らかに異常としか思えない。いくらなんでもそれは信じられない。が、シャルがそう言うなら事実なんだろう。これは認識を根底から改めた方が良いのかもしれない。七大罪の中でもさらに弱いとされている嫉妬のレヴィヤタンが、“速さ”という一芸を以てシャルを苦戦させた。この事実は無視して良いようなものじゃな
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