暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
ホテル・アグスタ
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同じ神秘でしか打倒できないモノ。人間ではない、ということはすでに聞き及んでいるが、やはりどう見ても人間でしかない。そしてその目的は不明。だがスカリエッティに何かしらの協力をしているらしい、とのことだ。

「今まで多くの敵と戦ってきたが、一切の攻撃が通用しないというのは嫌なものだな。ここまで通用しないとは、呆れを通り越して笑いがこみ上げてくる」

距離を取り、レヴィヤタンと名乗った少女と向き合う。ガジェットの掃討は先に撤退させたザフィーラに任せてある。私にも撤退するようにフライハイトに言われたが、少女の目的が判明していない以上はこのまま1人にさせるわけにもいくまい。“レヴァンティン”を構え直し、「目的はなんだ?」と問いかけたところで、あの少女の姿がないことに気づく。

「消えた、だと・・・?」

一瞬のうちに姿を消した少女の姿を探す。

(まばたきの瞬間を狙われた・・・?)

気配はない。が、おそらくどこかに居るはずだと本能が告げてくる。最大に警戒していた。だと言うのに耳元で囁かれた「・・・それが・・・限界」という、感情の見えない一言。振り返ると、そこにはクジラのぬいぐるみを私の顔へ向けて突き出した状態の少女が居た。

「・・・わたしには・・・勝てない」

――Mors certa/死は確実――

その直後にそのぬいぐるみから閃光が発せられる。しかし魔力が一切感じられない。しかし避けろという警鐘が頭の中に鳴り響く。

「・・・っく!」

発せられた閃光は砲撃と化した。私は体を捻るようにして紙一重で回避し、無駄だと知りつつ遠心力を載せた“レヴァンティン”を叩きつける。刃は間違いなく少女の頬に当たっているものの何1つ傷が付かないうえ、逆に私の右手に鈍い痛みと痺れが襲ってきた。サッと一足飛びで後退したところで、フライハイトから『離れて、シグナム!』と思念通話が届く。

「・・・来た・・・第三の力(しろいろ)・・・」

「はあああああっ!!」

少女の背後に乱立している木々の間から、真紅の翼を羽ばたかせたフライハイトが突進してきた。その手に持っているのは“トロイメライ”ではなく“キルシュブリューテ”。神秘を宿すと言われた武器だ。だが少女はフライハイトの一撃を難なく回避した。

「チッ。見もしないで避けるとか・・・!」

小さく舌打ちをしたフライハイトは私の傍へと降り立ち、「ごめん、遅くなった。あとは私に任せて、ガジェットの方をお願い」と謝罪を述べる。ここに居ても私は何も出来はしない。ゆえに「・・・ああ、任せた」と、素直に応じる。傷1つとして付けられないようでは私は通常任務に戻り、レヴィヤタンはフライハイトに託すしかないだろう。

・―・―・―・―・―・

「ようやく現れたと思えば、初撃を容易く回
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