暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
ホテル・アグスタ
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ヤツらと戦うだけの能力はあっても、ダメージを負わすための神秘がない。それでは戦いにはならず、一方的に倒されてしまうことになる。
「そうか。それはなんというか悔しいな。私たちではやはり手も足も出ない、というわけか」
「だから私とルシルが、命を投げ打ってでもヤツらからみんなを守る。まぁ
守護騎士
(
シグナム
)
にとっては嫌なことだろうけどね」
「そんなことはない。守り守られるのが仲間だろう? ならば私もお前たちに守られよう」
「シグナム・・・。そうだね。うん、そのとおりだ」
2人でうっすらと笑い合う。だけど隣を歩いていたシグナムが急に立ち止まって、「だがなフライハイト」って真剣な面持ちで私を呼んだ。私も数歩先まで行ってから立ち止まって、シグナムへと振り返る。
「命を投げ打ってでも、というのは許さん」
そう言ってシグナムはまた歩き出して私を追い抜いていった。“命を投げ打つのは許さない”、か。そんな気遣われること、初めて言われた。
「ありがとう、シグナム」
「当たり前のことだ。だからお前たち2人も我々に守られろ。命を粗末にするような真似は絶対にさせん」
「うん。ありがとう、ホントに」
会話はそれっきりであとは静かなものだった。でもみんなと合流するまでのこの静かな時間がなんだか心地良かった。そのあとは事後調査やユーノとの再会などを経て、私たちは六課隊舎へと帰った。
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