暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
狂おしき者と大罪
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「おいおいルシル、そんなことを言うもんじゃないぜ。きっとこれはシャルさんの心遣いだよ。羨ましいね、シグナム姐さんと模擬戦なんてよ」

口を押さえながらヴァイスがそう言うが、どんな心遣いだよ!?というか、そんなに今の状況に陥っている私がそんなに可笑しいのか!? なんなら代わってやっても良いんだぞ。

「そういうわけだ。場所も確保してある」

「そういうわけってどういうわけだ!?」

最早聞く耳持たずといった感じでシグナムが私の襟首を掴む。

「なにすぐだ。少し相手をしてくれるだけでいい」

「そんじゃなー!」

くそっ、良い顔で手を振りやがって。覚えていろヴァイス・グランセニック。
このあと私は、模擬戦という名のイジメを受けた。あそこまで全力で襲いかかってくるとは。なるほど。シャルが逃げたくなる気持ちも解る。模擬戦好きでも毎度ああも本気で来られると、少し引きたくなるよな。

†††Sideルシリオン⇒はやて†††

「何やお疲れのようやなぁルシル君」

108部隊の隊舎へと出掛けようと準備し始めたところで、隊舎の出入り口から戻ってきたシグナムとルシル君とバッタリ会う。シグナムの方は何や満足そうな顔しとるけど、ルシル君の方はえらい疲れようや。ルシル君は「まぁ、ちょっとな」って首をコキコキ鳴らす。

「主はやて、外回りですか?」

「え、うん、そうや。108部隊にちょっとな。それにしてもシグナムとルシル君の2ショットって珍しいけど、何しとったん?」

なんとなくやけど予想は出来る。模擬戦の相手がシャルちゃんやなくてルシル君やったってことや。そういえばシャルちゃん、隊舎内をコソコソしとったけど、こういうことやったんやね。ルシル君を売っちゃったんやなぁ〜。ご愁傷さまや、ルシル君。あと、うちのシグナムがご迷惑をかけしております。

「フライハイトに代わりセインテストに模擬戦の相手になってもらいました。セインテストはフライハイトの言っていたとおりの実に腕のいい槍の使い手でした」

「シグナムがそこまで褒めるなんて珍しいですねー。ルシルさんって、そんなに槍を使うと強いのですかー?」

リインが首を傾げながらそう訊いてる。それは私も気になるなぁ。ルシル君が“グングニル”を実際に使って戦っとるとこは見たことない。

「ああ、強い。何故今まで槍を使わなかったのか信じられないほどにな。あの戦いの最中にセインテスト本来の射砲撃戦法が加わると、おそらく近接戦でも私は苦戦しそうだ」

私たちの視線を受けて、ルシル君がようやく反応。虚ろやけど、ほんまに大丈夫やろか? うつ病とか発症したりせぇへんよな?

「アレは――グングニルはデバイスではなく、正真正銘の生命を傷つけるための武器だ。だからそう易々と使って
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