響の夏休み2
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多分私だ」
それだけ言うと、響はリビングから出て行った。
渉は首をかしげているが、セシリアはなにやら嫌な予感に駆られていた。
……まさかとは思いますが。
しかし、セシリアの予感は見事的中することとなった。
「もうセシリアも来てるぜ」
響の声が聞こえ、セシリアは瞬時にそちらを振り向く。そして響の後ろからやって来た人物の姿を見てその顔は驚愕にこわばった。
「お邪魔しまーす」
「失礼する」
そういって入ってきたのは、シャルロットとラウラの二人だった。二人は響の家に来られて満足げだが、セシリアはというと今にも真っ白な灰になってしまいそうだった。
……いったいどうしてお二人が? どこから情報が漏れましたの!?
セシリアは頭の中で何回も先週のことを思い出してみるが、思い当たる節がどこにもないようだ。しかし、シャルロットとラウラを見ると、シャルロットの方は微妙な罪悪感があるのかやや顔を引きつらせている。ラウラはそんなことを気にしていないのか堂々としたままだ。
「姉さん。この人たちも姉さんの友達?」
「ああ。金髪の方がシャルロット。銀髪の方がラウラだ」
「はじめまして、シャルロット・デュノアです。よろしく」
「ラウラ・ボーデヴィッヒだ。よろしく頼む。響のことは友人というよりもおね――」
ラウラがそこまで言いかけたところで響がラウラを無理やりに閉ざす。
「ムグっ!?」
「え? 姉さんどうかしたの?」
「いやー! 何もー? 何でもねぇよー!!? なぁラウラー!?」
響はラウラの顔を覗き込みつつ、微笑を見せながら告げた。しかし、残念なことに目はまったくといっていいほど笑っていなかった。
ラウラもそれが若干恐ろしくなったのか、そこは食い下がった。
響はそれを確認すると、軽く溜息をつき渉に麦茶を頼んだ。渉もそれに頷くと冷蔵庫からまた麦茶を持ってきた。
渉から麦茶を受け取った二人は、セシリアの横に腰を下ろす。
「お前ら今日明日は暇か?」
「わたくしは特にこれといった用事はありませんわ」
「僕もないよ」
「私もだ」
三人が言ったのを確認すると、響は頷き渉に視線を向ける。渉もその意図を理解し、戸棚の中から一枚のチケットを取り出した。
「実はな私の中学時代の知り合いにうぜぇまでのお節介焼きがいるんだけどよ。そいつからリゾートプールの団体チケットを貰ったんだ」
「宿泊施設もあって一泊二日なんですけど。一緒に行きませんか?」
二人が言うと、セシリア達は顔を見合わせるが、すぐさま二人に向き直り、
「「「ぜひ!!」」」
「よし、じゃあ決まりだな。今から行くから準備しとけ。渉、
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