暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
3rd Episode:
高き破滅より来たる大罪
Ep1再会
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シャルロッテ†††

「はぁ、こんなつまらない契約にわざわざ界律の守護神(わたしたち)を呼ばないでほしいよ」

私とルシルが管理局を辞めてもう2年は経つ。管理局を辞めたことで、守護神としての“契約”を多くこなすことが出来るようになった。その分、本当に下らない契約内容も増えてしまったけど。マジあり得ないんですけどぉ。その世界が持つ抑止力でも十分なことにすら“界律の守護神(わたしたち)”が呼ばれる。これでは本当に何でも屋になってしまうかもしれない。今更な気もするけど・・・。

「なのは達・・・元気かなぁ?」

突き出た崖に座り込んで、遠くの空を眺めて思うのは親友たちのこと。次々と頭の中に浮かぶみんなの表情は笑顔だ。2年前に別れてから、当然の如く逢っていない。一応メールのやり取りはしているけど、ミッドから遠のくと携帯端末が繋がらなくなる。メールのやり取りの回数としてはこの2年でたったの8回。そんで一度繋がると膨大なメールが一気に届いたりする。それに対処するのは大変だけど、でもみんなと繋がっていると思うと嬉しくなる。

「あの子たちなら元気に決まってるだろ」

私の背後に突如として現れたルシル。私は振り返って、労いと謝罪の言葉を口にする。

「お疲れ様、ルシル。ごめんね、いっつも最後を任せちゃって」

「構わない。これが第四の力(わたし)の役目だ」

そう言ってルシルも私の隣に座り込んだ。眼下に広がるのは、返り血と怨嗟で穢れた(これも今さらだけどさ)私たちには勿体ないほどに美しい天然の花畑。その綺麗な景色が私の心にグッとくる。

「気持ちいいね」

「ああ。私たちには勿体ないほどの心地よさだ」

この2年、私たちは多くの命を奪ってきた。それが滅ぼされる側にとって自業自得なことであろうと理不尽なことであろうと、だ。だから私は、なのは達と友達だということに負い目を感じ始めていた。

「一度逢いに行くか、みんなに?」

ルシルが、なのは達に逢いに行くか、と聞いてきた。本音を言えば、今すぐにでも逢いに行きたい。でも今の私たちに、みんなと逢う資格はあるのだろうか。こんな血に塗れ、多くの命を奪い取ってきた私に。この次元世界に来てから初めての殺人。それが私の心を押し潰してくる。

(・・・ハッ、この次元世界でだろうと何だろうと人殺しには変わりないというのに、今さら何を・・・)

本当に今さらよね。負い目を感じるならもっと早い段階で感じるべきだった。でも楽しかったから。なのは達と一緒に過ごす時間が。とても愛おしくて、たまらなく幸せだった。

「・・・時間、考える時間を――っ!」

私の携帯端末からメールの着信音が連続で鳴り響く。そうか、この世界はミッドからさほど離れていないんだ。

「メールの確認・・
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