Development
第二十五話 共鳴
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ットにより一夏を中距離以上の射程にくぎづけにした。
『くっ、失敗か……でも誤解するなよ。別に舐めてる訳じゃなくて……武器がこれしかないんだよ』
ため息のようなものと共に伝えられる一夏の言葉。本来であれば、自身の武装が一つしかないという致命的な欠点を戦闘中に暴露するなどありえないが、彼にしてみれば誤解を受けたままでいることのほうが許せなかったのだろう。
もっとも、その言葉をセシリアが信じるかどうか別問題ではあるが少なからず彼女の溜飲は下がったようだ。
『そう、ならこのままそこで踊り続けるといいですわ!』
そして激しさを増すコンビネーション。しかし、ここで彼女にも誤算が生じる。
本来であれば既にいくらか被弾させて動きが鈍っているはずで、彼女もそのつもりで撃ってきた。しかし、目の前で起きているのはまたもや先の試合の再現。ひたすらに避ける、舞い続ける対戦相手の姿。
なぜ、素人がそんな動きが出来るのか……確かに動きにはぎこちなさがある、いくつか被弾して確かにシールドエネルギーは削っている。しかし、その動きは鈍るどころか徐々にキレを増していった。
もはや、セシリアには何が起きているのか理解できなかった。
「どうやら、僕の試合はちゃんと見ていてくれたみたいだね」
「あぁ、自分で気づいたようだ。オルコットも克服しようとしているようだったな、まだ甘いがこの短期間で大した成長だ。全てお前の計算通りか?」
モニター越しで繰り広げられる戦いを見ながら話す紫苑と千冬。
この部屋に入ってから、特に込み入った話をする間もなく試合が始まりそれに集中した。
「買い被り過ぎだよ。時間稼ぎのついでにそうなればいいとは思ったけどね。事実……オルコットさんにはどうやら僕の言いたいことはまだ伝わっていなかったみたいだし」
紫苑は、セシリアと一夏のやり取りと攻防を見て先ほどまでの自分の考えが楽観的だったと思い直す。と同時に、この試合できっと彼女は気づくだろうという確信めいたものを改めて感じていた。
「ふん、まぁそういうことにしておこう」
そこにいるのは、教師と生徒ではなく長年の友人同士だった。
同時に、深くISに関わってしまった者同士。しかし、二人の立場は決して同じではない。
「あれは……『雪片弐型』だね。かつて、千冬さんが暮桜と共にモンドグロッソを勝ち抜いた時に使った……そして、あの時にも」
「……紫苑、お前はどこまで知っている。あれは確かに、私が使ったものと同じだ。だが、暮桜のものではない、あるはずがない。ならば……」
千冬はかつて、束とともにISに深く関わってきた。しかしそれはあくまでも親友として、操縦者としてであり紫苑ほど深くは関わってはいなかった。そ
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