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IS<インフィニット・ストラトス> ―偽りの空―
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第二十五話 共鳴
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ど、部屋には他に誰もいない。

「ここなら防諜は完璧だ……まぁ、アイツにかかれば分からんがな」
「ふふ、なら僕は素でいいってことかな、千冬さん」
「あぁ、そういうことだ、紫苑」

 あえてそう言ったってことは、あくまでプライベートで話したいということだろう。教師と生徒としては話せないこと……恐らくは織斑君と白式のこと。もしくは天照のことかな?
 なら、丁度いい。僕も織斑君について聞きたいこともあったんだから……。







 セシリアは、先ほどの試合のショックを半ば引きずったままアリーナへと再び入る。
 苦戦するのは承知だった、しかしあそこまであからさまに手を抜かれ、完敗するとは思わなかった。正確には、紫苑は決して手など抜いてはいないのだがあの状況でセシリアがそう捉えてしまったのは無理からぬことだった。とはいえ、セシリアが彼の真意に本当に気付いていれば問題なかったのだが……。

(彼女には負けましたが……でも! わたくしがあんな男に負ける訳がありません!)

 彼女はそこまで気付かない……いや、認めようとはしなかった。
 紫苑にとって誤算だったのは、彼女が自身を見つめ直したと思ったことだ。しかし、容易に考えを変えられるほど彼女の自尊心は脆くはなかった。先ほどはただ紫苑に勝ちたい一心、弱さを認めた訳ではなくただ勝つためにどうすべきか、その場限りに近いものだった。

『待たせたな』

 そして、対戦相手が現れる。先ほどの相手を思い起こしてしまうような白い装甲……しかし、華麗にも見えた天照に対して、白式は飾り気がなくやや無骨なイメージを醸し出す。

『よく逃げずに来ましたわね』

 セシリアの言葉は、いつもの彼女らしいそれ。しかし、それは彼女なりに絞り出したもの。一夏に負けるなどとは考えていないが、先ほどの敗戦を無視するほど愚鈍ではない。事実、彼女の手には既にスターライトが展開されている。

『あぁ、あんたの戦い方はじっくり見せてもらったからな』

 対する一夏も、武装を展開する。それは奇しくも紫苑と同様に日本刀のような形状……こちらは太刀に近いが、鎬の溝からは光が漏れ出ている。その姿はより一層セシリアを苛立たせた。

『西園寺さんならともかく……あなたのような素人がわたくしに近接武器で挑むなど……』

 やがて、その怒りがピークに達したのを見計らったかのように試合開始の合図が鳴り響く。

『身の程を弁えなさい!』

 同時に、スターライトから放たれる光の一撃。
 一夏は先の紫苑のように開始直後に接近しようと試みたものの、初めての実戦でスムーズにブーストが掛けられるはずもなく、またセシリアも既にそれを警戒してしまっていたため不発に終わる。
 自然とセシリアはスターライトとビ
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