残り6人
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っ直ぐマカロフに向ける。
「頼みます・・・『あの剣』の使用を認めてください・・・」
「!」
それを聞いたマカロフは驚愕し、目を見開いた。
「ダメじゃ!『あの剣』は認めん!」
「だけど!『あの剣』でないと、俺は姉さんを救えない・・・!『あの剣』さえ使えれば、雷神衆にも勝てる可能性があるんだ!頼むマスター!」
「バカを言うでないっ!『あの剣』はただでさえ魔力消耗が激しく、一振りするだけでも凄まじい体力を消費する!今のお前の状態で使っては、確実に命に危険が及ぶ!」
が、クロスは頑なに首を横に振る。
「俺がどうなろうと構わんっ!姉さんが無事ならそれでいいんだ!」
「いい訳ないじゃろうが!何を言うかバカタレ!」
「だが・・・今の状態の俺ではドレアーは勿論、雷神衆にも勝てない・・・それでは、姉さんが・・・っ!」
奥のステージで石化しているティアに目を向け、ぎゅっと拳を握りしめる。
常に涼しげで『爽やか』という言葉が似合いそうな―――勿論それは怒っている時もだ―――表情は悔しさに歪み、自分の力不足、不甲斐なさに怒っているようにも見えた。
「なるほど」
そこに、至って冷静な声が響く。
声の主、シュランは淡々と言葉を紡いだ。
「でしたら、私がティア様を救出致しましょう」
「え?」
クロスが顔を上げる。
「ティア様には以前、面白い話を聞かせて頂きましたから。そのお礼と思えば容易い事ですもの」
そう言って、ローズピンクの髪を耳にかける。
そして、真っ直ぐにクロスを見つめた。
「ご安心を。嘗てはギルド最強と評された事もありますから、簡単に敗北する気はありませんわ」
「・・・そうか」
その言葉に、クロスの顔に薄い笑みが浮かぶ。
「姉さんを・・・いや、姉さん達を・・・頼んだ、ぞ・・・」
呟き、意識を手放してゆっくりと目を閉じ倒れる。
「クロス!」
「安心せい。気を失っているだけじゃ。ハッピー、ヴィーテルシア。クロスを医務室まで運んでくれんか」
「あいさー!」
「任せろ」
慌てて駆け寄ったナツを安心させるようにマカロフが言う。
頼まれたハッピーはクロスを掴んで飛び、ヴィーテルシアの背に乗せる。
そのままクロスが背から落ちないように見張りながら、2匹は医務室へと向かっていった。
【クロス:戦闘不能】
【残り4人】
「私とシュランが加わった事で残り人数も律儀に変わるという訳か。凝った事を・・・」
「この4人はナツとガジルとエルザとシュランの事だね」
表示された情報を見て、エルザとハッピーが呟く。
【残り5人】
すると、人数が1人増えた。
「!」
「増えた」
「誰だ!?」
「皆様石のままですが・・・一体・・・」
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