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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第239話】
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…でもまあ? ……う、嬉しい……けどね?」


 そうベッドで胡座をかき、瞼を閉じたまま言った鈴音は何処か照れてる様にも思えた。


「ふふっ、僕も嬉しいよ? ……ヒルトの言葉って、何だかぽかぽか心が暖かくなる感じ……」


 胸に手を当て、瞼を閉じ、シャルが言うのだがその言葉がまた俺の全身の熱を上昇させていた。


「私もだ。 ……好きだからなのかわからないが、ヒルトの言葉には思いやりや優しさを感じる」


 真っ直ぐと見つめるラウラの眼差しに、照れ隠しで俺は視線を逸らした。


「ふふっ、ちょっとお兄ちゃんらしくない気取った台詞だけど……やっぱり、言われたらスゴく嬉しいよ?」


 美冬は空いた俺の右手を握り、ラウラと同じように真っ直ぐと見つめてきた。


「……何だかんだで、皆、ヒルトの言葉が嬉しいのよ。 もちろん、鈴もね?」

「べ、別に嬉しい訳じゃないわよ……バカヒルト」


 椅子に座った未来が柔らかな笑みを浮かべながら言い、鈴音は未来に言われた言葉に反応して壁側に視線を逸らした。


「……でも、今さら思うがこうやって皆と話をしてること自体が奇跡かもな……」


 凭れかかかった壁から移動し、洋服タンスを開くと俺は【ある物】を取り出す。


「……ヒルトさん、それは――」

「……本当なら、俺が行く予定だった私立高校の制服だよ」


 そう言ってハンガーにかけてあった制服を見せた。

 未来はこの制服に四月までは袖を通していたが、転校してIS学園にやって来た。

 制服は蒼を基調としたブレザーで、中はカッターシャツを着、首もとにはネクタイを。

 制服のズボンは、黒と蒼のチェック柄で、女子の制服の可愛さはIS学園にも負けていないのだが……学園は、カスタム可能なのが大きなメリットなので、人気は一歩譲る。


「……そういえば、私が入学試験で忘れ物しなければ、お兄ちゃんは普通の高校生だったんだよね……」


 二月の出来事を思い出す美冬。

 あの時、慌てながら教室を出たのがまだ瞼に焼き付いていた。


「……僕もそうだけど、あの時は全世界が震撼したんだよね? 世界初の男のIS操縦者が現れるって」

「……そうですわね。 わたくしも、屋敷で知りましたわ……」


 シャルとセシリア、二人が当時の事を思い出しながら言葉を口にした。


「……私もだが、あの頃はそういう事には興味がなく、ずっと訓練漬けだった。 ……今は違うぞ? ヒルトの事は、何でも知りたい」


 フォローする様にラウラは言った。

 二月のラウラは、出会った当初のラウラなんだろうなと容易に想像がついた。


「アタシもその頃は軍で訓練
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