第6章:女の決意・男の勘違い
第16話:久しぶりの船旅と初めての旅
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、怪我がないか聞いただけです。下心なんて存在しません……」
「じゃぁビアンカの事じゃなく、あっちで転んでるトルネコを心配してやれよ。敵襲の衝撃で、あの巨体を床に打ち付けたトルネコの方に行けよ!」
「彼は良いんです。天然素材のクッションを体中に巻いてるから、ちょっとの衝撃では何ともないですからね!」
気になる異性へのアプローチ方法が息子に似ているご先祖様ね。
何だか言い訳もソックリな気がする……
あぁ……この血筋が色濃く出てるから、私の息子はアレなのか!
「イヤ〜ン、シンちゃんってば禁断の恋? お父さん、シンちゃんてば女々しいのよ! 今は居ない彼女が恋しくて、見た目が似てる女性に女々しく恋慕をしちゃってるのよ」
楽しそうなマリーの言葉に、ウルフ君とリューノ・リューラが集まってくる。
「何“女々しい”のか!?」
「ええ“女々しい”のよ!」
それを合図に私はリュカの上から降り、少し離れた所で見守る体勢をとる。
横に置いてあったギターを手に、立ち上がったリュカが歌い出したのは『女々しくて』……
リュカの前世で流行ってた曲らしいけど、グランバニアに居た頃は『女々しい』のキーワードを発する度に歌ってた。
マリーも知ってたらしく、リュカの歌に合わせて踊ってたのだけど、何時の間にか周囲の者も踊りを憶え、一緒に参加する様になってたわ。
だから今も、マリーを中心にウルフ君・リューノ・リューラが揃って踊りを踊ってる。
勿論シン君は顰め面だ。
その他にも、ライアン君やブライさんは困り顔だけど、その他の人達は概ね楽しそうにしている。
どうやら殆どこっち側の人間らしい(笑)
驚いたのは、見た目こっち側の人間のマーニャちゃんが、妹さんのミネアちゃんの楽しそうな表情に困っている事だ。
あと……ラピスの介護をしているロザリーが、離れた所で楽しそうにリズムを踏んでる事だ。
あの娘もこっち側の人種みたいだ。
「俺の事を馬鹿にして満足しましたか?」
一曲歌いきったリュカに、馬鹿にされたと思ってる(あながち間違いではない)シン君が、不機嫌そのもので話しかける。
「ん〜……全然満足しないねぇ。よし、もう一曲歌っちゃおう!」
そう言って更に歌い出すリュカ。
この曲は確か『レッツゴーKY』と言ってたわね。
グランバニアに居た時、自室で私とシてたのだけど、緊急事態だと言って入ってきたオジロンに対して歌ってた歌だ。
勿論もう慣れてる身内は気にもせず話を続けるのだけど……
「いい加減にしろコノヤロウ! 人の事を馬鹿にしやがって……」
まだまだ慣れないシン君には、神経を逆なでするだけみたい。
リュカはリュカで歌うのを止めないし、ムード的には険悪ね。
そんな雰囲気を打ち払ってくれたのは、意外に
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