霧の漂う町
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この世界が雲で覆われるようになってから長い月日が経った
一体どれだけの人がまだ生きているのだろう?
手探りで進まなければならない濃霧で覆われた町に私は辿り着いた
神の鳴る町では戻れないと諦めた私は最後の希望を持ってこの町を目指した
この町には誰も居ない
居なくなったのではなく元々誰も居なかったのだ
しかしここは町の形をしている
私はここでやっと見つけた
この世界の真相を
「これが君の書いた絵本なの?」
ランドセルを机に置きながら少女は後ろの席に座っている少年に尋ねる。
「うん、結構自信作」
少年は笑顔で書き進めていた鉛筆を金属製の入れ物にしまう。
「なんかしゅーるだね、これの終わりは?」
「ないよ」
「…これで終わりなんだ?」
「うん、これで終わり」
「何か気になる終わり方だね」
「そうかな、くーりちゃんはそう思う?」
「うん、これの続きがみたい」
「そう。じゃあ」
い っ て ら っ し ゃ い
空里の日記
あの日から千日と少しが経った
やっとこの世界の終わりが見れる
身体は気がつけば随分成長した
今帰ったとしてもすぐには見つけてもらえないかもしれない
そもそも元の世界に帰れるのかな?
ねぇ・・・・・・
お し え て よ
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