第二話 〜進む時間〜
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鍛治をしながら父に指摘などをうけつつ半年ほどの月日が流れた。
「詠牙。今日からはお前一人で刀を打て」
工房でいきなりそんな事をいわれた。だけど
「一人って・・・そんな俺一人ですぐに造れるものなの?まだ見習いだしこんなに早く造る事なんて出来ないと思うんだけど」
俺がそういうと
「・・・本当は俺もそう思っているんだが・・・。上のほうがお前にひと振り打たせろとうるさいんだよ・・・。前お前も連れていったろ。たしか2年前くらいに。そのとき上の人間の一人がお前にひと振り打ってほしいといっていてな。打つといっても祭事用のものだから刃引きをしておけばいい。まぁ、今のお前じゃ一般にでてる刀くらいしか打てないだろうが、そこは気にしないようにと相手のほうには伝えてある」
その物言いにカチンときて
「・・・父さん・・・打つのは構わないけど・・・最高の出来でも構いませんか?」
ニヤリと笑いそういうと
「・・・ッフ。それでこそ私の息子だ。お前の最高の刀を打ってみせろ」
そんなやり取りをして打つ事を選択した。それから1ヶ月自分にとっては最高の出来だと思う刀が出来上がった。
それから一週間とたたずにある出来事が発生した。それは・・・
「えーくん!えなの刀打ってくれるって約束したよね!?」
・・・恵那ちゃんの襲来だった。
「・・・恵那ちゃん?恵那ちゃんの刀だけど、素材が後一つ足りないものあるんだけど・・・。一緒に取りにいく?」
「むぅ〜・・・。その足りない物ってなに?一緒にとりにいくっていうけど、どこまでいくの?えなそんなに離れた所にはいけないよ?」
場所のほうは大丈夫日本だしね
「場所は兵庫県だよ。そこのある鉱山で恵那ちゃんのための刀を打つつもりだよ」
「・・・ここじゃ駄目なの?」
「・・・場所はここでも大丈夫だけど・・・恵那ちゃんは降臨術師でもあるんだよね?それならここで造った刀よりあっちの方で作った物のほうがもしかしたらいいかもしれないよ。俺が造るのは攻めるための刀じゃなくて、恵那ちゃんを護るための刀だしね」
そこまでいうと恵那ちゃんは照れたような顔をしながら
「・・・それならそれでいいけど・・・えな兵庫県とかにはいけないよ?さすがにここと兵庫じゃ離れすぎてるし」
距離の問題のことをいってるのか?
「それならもう恵那ちゃんの親御さんには許可をとってあるよ?それに『おじいちゃま』だっけ?その人も見聞を広めるにはちょっとした旅だしいいんじゃないかっていってるし」
そこまでいうと
「も〜また勝手に決めて・・・それでもしえなが断ってたらどうするつもりだったの!?」
そんなことか
「その時はほら・・・強制?」
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