第二話 〜進む時間〜
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恵那ちゃんとの対面から5年。今では俺は10歳になりそれなりに工房に出入りができるようになってきていた。そのときに気づいたことがある。普段はそこまでしゃべらない父が仕事をするときになると鬼気迫る勢いで槌を振るい、炉に入れた鉄を一心不乱に叩き形を変えていった。そして俺が鉄を叩く時になるとちょっとでも気を緩めると鉄拳制裁が待っている。自分が満足できる物が出来たと思ってみせると、父が造ったものと俺が造ったものを叩きあわせ、折れたらまた造りなおし折れなくても欠けたりすればやり直し。ずっとこのまま同じことの繰り返しではあるが今充実している日々を迎えていた。
「・・・詠牙よ。そろそろ自分で鉄の採掘をして打ってみるか?」
父(犬塚 刀牙いぬづかとうが)はそういうが
「・・・父さんそれって今ある鉄じゃだめなの?」
「ここにあるのでもいいが・・・刀鍛冶たるもの素材を自分で吟味し、それを打つ事によって自分の刀ができると私は考えている」
さすが一流と言われる鍛治師・・・素材からなにまで自分自身で手にとって探すということか。まだ俺はここにある鉄しかみたことないけど、いろんなところにいけばそれぞれ違う鉄が出てきそうなきがする
「採掘しにいくのはいいけど、鉄ってそうそうすぐにでてくるものなの?たしかに俺って身体鍛えたりしてるけど、目利きとかきくとはおもえないんだけど・・・」
転生してから物心付いてからは適度に身体を動かして鍛えてきたけど、目利きのほうは全然だからうまくいくとも思えない。
「そこは自分の直感を信じてもてるだけもって帰ってこい。それから俺が目利きの仕方を教えてやる」
なんともアバウトな・・・。そんなことでちゃんとしたものがでてくるのかわからないな・・・。
「まぁ私も習った時はこんなものだったからな。だけど知識は自分で集めておけよ。取りにいく場所は後で教えてやるから準備してきな」
そういうと工房から出ていった。
準備といってもどういうのがいるのかわからないからスコップとかピッケルをもっていけばいいのか?
なんやかんやで鉱山にきたが・・・本当にこんな所でいい鉄とか玉鋼とかでるのかねぇ・・・。
そんな事を考えながら採掘をしていると
「・・・ん?」
一際目立つ鉱石が出てきた。見た目は真っ白な鉱石だけど、なにか心が惹かれるようなきがした。
「・・・これを恵那ちゃんに造る刀に使えばいいものができそうだけど・・・これだけの量じゃ小刀くらいの大きさしかつくれないな・・・」
まぁ刀とかでかいものだとこの時代目立つだろうし小刀くらいのほうがちょうどいいかも。
そう思いこの鉱石で刀を打とう。それから三日間ずっと鉱石集めをして帰宅した。
帰宅してからはいつものように
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