四日目 夕方
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「ガンス、もう止めなさいよ!彼の力を見たでしょ!?あれは危険よッ!」
シルフィは決闘の前とは違い、焦るような顔でガンスに訴えた。
「心配いらねぇよ。魔力で痛みは抑えているし、傷もヤクモの言う通り浅ェよ。まだやれる」
.....おかしい。確かに俺は肋を折った筈.....なぜ、動ける?
「簡単な話よ。ガンスは戦士職、魔法は使えないけど、体内の魔力は操る事はできる。それで一時的に痛みと傷を応急処置したのよ」
なるほど、つまり主に魔法は魔法使いにしか使えないが、魔力は他でも何かしらの形で使う事ができる、という訳か。
「そういう事だ。分かったら、第二ラウンド始めるぜ!」
瞬間、ガンスの体が兎のような跳躍を見せる。
(速い、一気に距離を....)
「オラァ!今度は外さねぇ、炎剣を食らいなッ!」
ガキィン!
ガンスが物凄いスピードで炎剣を叩きつけるように切り込む。俺は咄嗟に輝彩滑刀を出し、応戦する。
(魔力で身体能力をあげたか.....これでは、時を止める前に切り殺されかねない。しかたない、スタンドを変える)
「ガハハッ!俺の本気の一撃を受け止めやがったな。おもしれぇ、行くぞォ!」
まずは離れろ。
俺はガンスの剣を輝彩滑刀で押し退け、距離をとった。
「どうだ?ちっとは効いてきたんじゃねぇか、ヤクモ?」
ああ、正直ここまで押されるとは思わなかった。だが、予想の範疇だ。
シュルルル!ギュッ!
「何だッ、腕が動かねェ!?」
俺の腕からスタンド、ハーミット・パープルが伸び、ガンスの片手に巻き付き、拘束した。だが、拘束するために出した訳ではない。
ガンス、1つチャンスをやろう。
「チャンスだぁ?何言ってやがる!」
その手に持った剣を地面に捨て、二歩さがれ。そうすれば、自分の足で帰れ、数日で傭兵として復帰できるだろう。だが、敢えて大怪我を負いたいというなら前に進むといい。
ガンスの顔が朱に染まる。
酒で酔った時よりも熱されたように赤い。
「ヤクモ、てめェは人を怒らせるのが好きみてぇだな。面白ェ、どっちが大怪我を負うか試してやろうじゃねェかッ!」
「ガンス!止めなさいッ!」
広場にこだますシルフィの声だが、狂人化したガンスには届かず、ガンスは動かない腕とは逆の方の腕で炎剣を振り上げた。
「後悔しやがれッ、ファイヤストリーム!」
ガンスはそう叫ぶと剣を振り下ろす。
剣から風が起こり、炎剣の炎を巻き込むようにして、俺に向かってきた。
その姿は言うなれば炎の台風。
フフ、選択を誤ったな、ガンス。この程度の炎では俺には傷すら付けられない......怪焔王の流法ッ。
俺はガンスを
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