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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
百四十六話:夢と現と乱れる心
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……いや。……別に」
「そう。ならいいんだけど」

 後半に関しては気まずいのは主に私だが、前半で気まずいのは間違いなくヘンリーのほうでしょうからね!
 実際に抱き締めながら、やらしい夢見てたとか!
 しかも実際に撫で回してたとか……そこまでわかってしまうと、今度は私も気まずいけれども!

 とにかくだから、ここですっとぼけておくのはお互いのためなんですよ!!

「ヘンリー、もう大丈夫?大丈夫なら、先生のところに行こう?」
「……そう言えば。ここ、どこだ?」

 今さら気付いたように、ヘンリーが部屋の中を見回します。

「ベネット先生のお宅の客間。ヘンリーはもう倒れそうだったし、私も頭は痛かったから。ベッドを借りて、休ませてもらってたの。ヘンリー、覚えてる?」
「……お前の肩を借りて、実験室を出るくらいまでは……」

 呟くように答えたヘンリーの顔が、なんだか赤くなってますが。

 散々抱き締めたり肩やら腰を抱いたりしてたのに、今さら肩を借りたくらいで何を照れているのか。
 私が貸す側になってた辺りが、問題だったんだろうか。

「……ヘンリー。この後も適性を身に付けるなら、回復とか蘇生系は、やっぱりヘンリーのほうが負担が大きいと思うけど。もう、一人で倒れようとしないでね?ちゃんと頼ろうとしてくれれば、私だって倒れずにヘンリーを支えるくらいの力はあるんだから。変に倒れて頭でも打ったら余計に大変なことになるし、私を守ってくれるって言うなら、自分のこともちゃんと大事にして。死んじゃったり体が不自由になったりしたら、もう私を守れなくなるでしょ?」

 私を守るために自分を大事にして欲しいなんて、そんなことを思ってるわけじゃないけど。
 そう言うのが一番効きそうな気がしたから、そういう言い方をしてしまったわけですが。

「……わかった。次からは、お前にも頼るから。悪かった、ありがとう」

 まだ赤い顔で目を逸らしながらも、素直に応じてくれました。

 よっぽど私に頼りたくないのかと思ったが、これなら別にあんな言い方しなくても良かったか。

 なんにしても受け入れられたならそれはそれでいいとして、そもそもの問題として。

「……ヘンリー。別にヘンリーは、無理して」
「適性は身に付ける。俺も絶対、身に付けるからな」
「……そう」

 私のためって言うなら、本当は止めたいところだけど。
 言っても聞かないだろうし、理由はともかく決定に関しては私が口を出す問題ではないし。
 本人がそう言うなら、これはもう仕方ないか。
 ちゃんと私にも頼ってくれるって言ったし、その辺で妥協しよう。

「それじゃ、行こうか。ベネット先生のところに」
「ああ」
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