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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
百四十六話:夢と現と乱れる心
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と、またも動くヘンリーの手。

「ひゃっ!……んっ……んんっ……!」

 また妙な声を上げてしまい、また口を押さえて声も抑え。
 なおも動き続ける、ヘンリーの手。

 ……一体、どんな夢を見てるんだ!
 現実で本人を相手にこういう動作をしながら、そういう夢を見るとか……!

 ……散々触られた挙げ句に、全てが夢として処理されるわけですか?
 起きた時に覚えてるのかどうか知らないけれども、こんなことされたのもこんな声出させられたのも、全て無かったこととして、ヘンリーの頭の中だけの、ただの夢の中の出来事として扱われると?

「……んっ……やっ……、嫌」

 また撫でられながら思わず漏らした私の言葉に、ヘンリーの手が反応するようにピクリと動きます。

 ……聞こえてるのか?
 感触だけじゃなく、耳から入った情報も、夢の中に反映されるわけですか?

「……ヘンリー。こんなのは、嫌。やめて」

 低い声で囁くように、でもはっきりと、間違いなく聞こえるように言うと。

 まだ微妙に動いていた手が完全に止まって、幸せそうだったヘンリーの表情が曇り、眉間に皺が寄ってうなされ始めます。

「…………うーん、ドーラ……悪かった……もう、しない…………」

 ……完全に、聞こえている!
 そして、反映されている!

 折角の夢の中で、イチャイチャラブラブが可能だった夢のドーラちゃんに、現実の私の意思が反映されてしまったわけですか。
 それは悪いことをしたが、そもそも現実の私を捕まえてなければそんなことにはならなかったのに。

 私ばっかり悪いわけでは無いと思うが少々の罪悪感を覚えたので、うなされ続けるヘンリーにまた声をかけます。

「…………うーん、ドーラ……許して、くれ…………」
「……怒ってないよ。大丈夫だから。許してあげる」

 たぶん間違いなく私のことが好きなんであろう健康な十八歳の体を持つ男性が、ずっと側にいて守ってくれながら、抱き締める以上の妙なことはしないで我慢してくれてるわけですからね。
 抱き締められること自体は私も落ち着くわけで嫌じゃないし、そうやって現実で我慢し続けた結果、ちょっと妙な夢を見てしまったからって。
 夢の中だけで済ませてくれてる分には、怒るほどのことでも無いと言いますか。

 抱き締める腕が緩んで私も手を伸ばせるようになったので、ヘンリーの頭に手を伸ばして撫でながら、まだうなされているヘンリーに声をかけます。

「…………うーん……ドーラ…………」
「怒ってないよ。大丈夫。だから、ゆっくり休んで」

 うなされ始める前はやけに幸せそうだったから、頭の痛みはもう大丈夫なんじゃないかと思うけど。
 私がさっき起きたところだから、私よりもかなり辛そうだっ
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