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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第237話】
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ろに取っ手があるだろ? そこに足をかけて手は俺の肩に乗せればいいよ。 MTBだから荷台は無いんだ、悪いが立って乗るしか……」
「……成る程。 ふむ……自転車という物は見たことはあるが、乗ったことは無いのでな」
そう言い、俺に言われたように乗ると肩に手を乗せて――。
「の、乗ったぞ」
「おぅ、じゃあ適当に走ってから家に戻るからな、流れる景色を楽しむなり、俺と話して盛り上がるなりしようぜ」
そう言って、来た道を漕いで戻っていく。
シャルもそうだが、ラウラも後ろに乗せてるとはいえ重さを殆ど感じない。
「……風が気持ちいい」
静かに呟くように風を感じるラウラ。
「夏の日差しはキツいが、動いてるとやっぱり気持ちいいものだろ?」
「ぅむ。 ……だが、それ以上に……私はヒルトと過ごすこの時間が……気持ちいぃ……」
声色から、本心でそう思っているのがわかる。
……付き合いはまだ二ヶ月ぐらいだが、それでも声を聞けばある程度はわかったりする。
もう少し付き合いが長くなれば、もっと互いの事がわかるだろう……あの時の不思議空間で繋がった時の様に。
暫く河川敷沿いを自転車で走ると少し交通量の多い道路に出た。
自家用車や大型トラック、臨海方面に向かうダンプなど多種多様な車やバイクが走っていた。
「ここを曲がるぞ? 車が多いからラウラ、気を付けろよ? 怖く感じたら抱きつけばいいから」
「む……恐怖は感じないが……。 ……抱きつく」
そう言って身を寄せ、腰に腕を回して抱きつくラウラ。
端から見ると仲の良い兄妹に見えるらしく、微笑ましい視線を感じた。
スピードを落とし、次の交差点を曲がると交通量も一気に少なくなるが、曲がり角等の死角もあるためカーブミラーをチェックしつつ、走り続ける。
「……ヒルト?」
「ん? どうしたラウラ?」
「ふふっ……呼んでみただけだ」
抱きついたまま、楽しげにそう言うラウラに俺は微笑を溢しつつ、そろそろ時間だと思い、帰路につく。
話をするよりも、ラウラは俺の肌を感じたかったのかずっと抱きついたまま俺の心臓の鼓動を聞いていた様で……。
「ふふっ……ずっと心臓の鼓動が速いぞ……」
「じ、自転車漕いでるからだよっ。 ……ほら、着いた――って、あれ?」
家の前をうろうろした怪しい人物が見える。
呼び鈴を押そうとするが、止めては頭を抱えるその人物の姿が徐々に見え始め――。
「あれってもしかして……鈴音か?」
「む?」
そう短く言うと、肩越しからラウラも覗き込むように前方を見た。
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