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失われし記憶、追憶の日々【ロザリオとバンパイア編】
原作開始【第一巻相当】
第二十話「最終試験」
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すよね?」
「もちろん、ただの組み手ではない」
それも、いつもの組み手ではなく命をかけた死合い。しかも期間は一週間だ。
「殺しはしない。が、こちらは殺す気で挑むぞ? もちろん加減はするがな」
これが俺の最終課題。一週間俺と死闘を繰り広げながら生活を送るという内容だ。
今まで青野に叩き込んできた教えを思い出し、持てるすべてを発揮すれば乗り越えられるはず。
「どうだ、臆したか?」
元々気が弱いところがある青野だ。少しは躊躇いを見せるかと思ったが――。
「やります」
「……ふむ。覚悟はできている、と。その意気や良し!」
真っ直ぐな目で俺を見返してきた青野に大きく頷いた。
なら、その決意が鈍らないうちに始めるとしよう。
「合格条件は俺に一撃与えること。失格条件は戦闘継続不可と判断もしくは降参した場合だ。お前のすべてを俺に見せてみろ」
「はいっ」
「よし。十分時間をやる。十分後行動を起こすからそのつもりでいろ。何度も言うようだが、こちらは殺す気で行くから死に物狂いで挑め。では――最終試験開始ッ!」
開始の合図とともに駆け出す青野。そうだ、それでいい。まずは身と気配を隠すことからだ。
――一分経過。
「さて、こちらも準備を整えよう。ハクは危ないから避難していてくれ」
「わかりました」
肩から飛び降り離れた場所に移動するハクを尻目に目を閉じる。
闇をジッと見ながら大きく呼吸を繰り返し、徐々に心を沈めていく。
――五分経過。
聴覚との接続を切り、外界からの音を遮断する。静かに鼓動する心臓だけが聞こえる。
何度も何度も脳に言葉を囁き、擬似情報を植え付け、一種の暗示を自身に施す。入念に、入念に……。
――九分経過。
肺胞の空気をすべて吐き出す。
――十分経過。
俺の視界が紅く染まり、意識が黒に包まれた。
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