第十三話
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「回復魔法の原理は細胞を活性化させて傷を塞ぐものだ。簡単に言えば傷の治りを極端に早くするものだ。そして、過ぎたる薬は毒にもなる」
「しかし普通の回復魔法ではそのようなことには」
「そう、どんな回復魔法でも圧縮した所で意味は無い。なぜなら脳がそれを拒むからだ。だが一つだけ、そう一つだけ方法がある」
「それは一体何なんですか?」
「それは教えられない」
「なぜ?」
「誇りだからだ」
「誇り?」
「なあ、ナギ。攻撃魔法でどれだけの人が救える?」
「えっ?」
「なぜほとんどの人間が攻撃魔法ばかり覚えて立派な魔法使いを目指すんだ。人を救いたいなら防御魔法と回復魔法を覚えた方がずっと人を救うことが出来る」
赤い翼の誰もが何も言い返せずにオレの話を聞き入っている。
「別に攻撃魔法を否定する訳ではない、オレも攻撃魔法の方が多い。だがな回復魔法は命を救う為にある魔法だ。それで誰かを傷つけるのはオレの誇りに反する」
話をしている間にここにいる全ての影を掌握しきる。
「だから連合はオレを敵にまわした」
この場にいる連合と思われる人間を全て、赤き翼を除く全てを自らの影によって殺す。
次々と倒れていく兵士たちに赤き翼の面々は驚く。
この戦場の勝者はオレ一人になった。
「ここで生きているのは最早オレとお前たちだけだ」
「てめえ、何をした」
「なに、簡単さ」
赤き翼の影も操り、四肢を貫く。
「こんな風に殺しただけだ」
オレはこの場から離れようと影のゲートを起動する。
「あなたは一体何者ですか」
「オレはレイト・テンリュウ。『形なきもの』だ」
それだけ告げ、ゲートに入る。
目指すはアリアドネーだ。
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