暁 〜小説投稿サイト〜
ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
聖者の右腕篇
01.吸血鬼
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も被らない彩斗は今にも死にそうな顔をしている。
「彩斗もなんか被りゃいいじゃねぇか?」
「まぁ……そうだんだけど」
ファミレスから古城と彩斗の自宅までは、市内を走るモノレールで十五分ほどの距離。だが、少ない金を消費しないために歩くという選択肢を選んだ。じりじりと肌を焦がす夕日を浴びながら、海沿いのショッピングモールを歩いている。
そして何気ない仕草で背後を確認。
「尾けられてる.……んだよな?」
「そうみてぇだな」
二人から十五メートルほど離れた後方を、一人の少女が歩いている。ファミレスから出た時に見かけた、ベースギターのギターケースを背負った少女。
彼女の制服は、浅葱のものと似ているが彩海学園の女子の制服。襟元がネクタイではなくリボンになっているという事は、中等部の生徒ということだ。
彼女の目的はわからない。どちらかを尾行しているならば、彩斗か古城の正体を知っていることになる。それがどちらもなら最悪の状況になる。
「……凪沙の知り合いか?」
古城の言葉のすぐ後ろに少し早口で言葉を走らせる。
「悪りぃな、古城。ちょっと寄りたい場所があるから今日はここで……。じゃ!」
そして早足で古城に振り向き、その場を後にする。後方から古城の声が聞こえるがそんなこと御構い無しに彩斗は駆けた。
後方を再び確認する。彼女は少し動揺したような動きを見せるが俺を追わず、その場にとどまり古城の尾行している。
かなり離れた位置から古城と彼女が見えるように建物の間に入り込む。
そこで彩斗は、右のポケットに入っているスマートフォンを取り出し、電話をかける。
ツーコールの後に聞き覚えのある声が聞こえる。
『もしもし。なんだ、彩斗?』
「単刀直入に聞く。古城を尾けてるあの女は誰だ?」
電話越しに少しの間が空いたあと、答えが返ってくる。
『獅子王機関の“剣巫”だな。そいつは.....』
「獅子王機関だと!?」
“獅子王機関”──政府の国家公安委員会に設置された特務機関。魔導災害や魔導テロを阻止するための情報収集、工作を行う機関。
「つまり、古城の正体がバレたってことか」
『まぁ、そうなるな』
「そうか……サンキュウな……じゃ」
切る寸前に向こうから聞こえる声。
『お前も気をつけろよ』
スマートフォンをポケットにしまい込み、再び二人を確認する。
「……獅子王機関の“剣巫”……か」
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