『十五話』〜月村家の秘密 拓斗の秘密〜
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だと言えばこの反応は当然か。
「あなた一人?他の死神は?」
「死にました」
「なっ!どうして!?」
「今よりも幼い時にある集団に村が襲われて全員」
「その時、あなたは?」
「いましたよ。ですが死神の長に助けられて、今ここにいます」
「すずかやなのはちゃん、アリサちゃんはこのことは?」
「知りません。むしろ一生知らないでおいてほしいですね」
「どうしてだ?」
「アイツ等には重すぎる。三人には純粋でいてほしいんです。俺がいる場所はあまりにも汚れすぎている。出来ればアイツ等にはあのまま笑顔でいてほしいんです。そのためなら俺はどんな罪でも汚れでも背負っていくし、どんな罰も受ける。俺が再び幸せをつかめたのもあの三人のおかげですから」
「・・・・・」
忍side
「アイツ等には重すぎる。三人には純粋でいてほしいんです。俺がいる場所はあまりにも汚れすぎている。出来ればアイツ等にはあのまま笑顔でいてほしいんです。そのためなら俺はどんな罪でも汚れでも背負っていくし、どんな罰も受ける。俺が再び幸せをつかめたのもあの三人のおかげですから」
「・・・・・」
そういって拓斗君はすずかたちがいる場所を見降ろしていた。
彼の目はどこまでも悲しく、どこまでも澄んでいた。なんでこの子が、なんでそんなひどい目遭わなきゃいけないの!彼が何をしたっていうのよ!?
たった9歳の子供が耐えられるモノじゃない。でも彼は今ここにいる。どれだけ重いものを背負い、どれだけ辛い思いを、悲しい思いをしてきたのだろう。
「俺はただ守りたいだけなんだろうな。幸せを教えてくれたアイツ等という居場所を」
彼がそうつぶやいたのがこの静かな部屋ではよく響く。
「あら。その中にはすずかも入っているのかしら?」
そう、彼に聞いた。聞いてしまった。これ以上彼に重い罪を背負わせたくないのに聞かずには居られなかった。
「当然、どんなことがあってもあの三人は護り抜きますよ、絶対に。俺の魂に誓って」
そういってこちらをみる彼の黒い瞳には白い六芒星が光っていた。
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