『十五話』〜月村家の秘密 拓斗の秘密〜
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ルに問いかける。
[(ビンゴだ。微量だが魔力か? 人とは違う何かを感じるな)]
「(そうか)初めてお会いしますよね? 月詠拓斗です」
ソウルからの念話を聞きながら女性に挨拶をする。
すると女性は立ち上がり、俺の近くまで来て視線を俺のところまで下げて、
「はじめまして。私の名前は月村忍よ。すずかの姉」
「ファリンと申します。すずかお嬢様の専属メイドを務めさせもらっています」
「恭也いらっしゃい。あと、すずか。拓斗君を借りて行っていいかしら?」
「え? う、うん」
「それでは三人の御茶はそちらにお持ちしましょう。何がよろしいですか?」
「任せるよ」
「なのはお嬢様と拓斗様は」
「わたしも、お任せで」
「俺も」
「かしこまりました」
そして俺は忍さんと恭也さんについて行き、ある一室に案内された。
そしてそれぞれが席に座る。忍さんが口にした質問に俺は少し驚いた。
「下手な探り合いはしないわ。あなたは何者?」
それはそうだ。いきなり何者と聞かれても、なぁ?というより……
「あの……恭也さんから聞いてないんですか?」
「へ?」
あぁ……やっぱり聞いてないのか………
「「恭也(さん)?」」
「……すまない、忘れていた」
恭也さんを忍さんと二人で見ると恭也さんは素直に謝ってくれた。
「別にいいけど……拓斗君、結局あなたは何者なの?」
「何者と言われても、月詠拓斗。それ以上でも以下でもないですよ」
「あなたからは人の気と異なるものを感じた。だが「忍さんとも違う。ですか?」ッ!?」
すると、恭也さんが立ち上がり、俺の胸ぐらをつかんだ。それでも俺はかまわず喋り続ける。
「おそらくですが、忍さん、いえ。月村家そのものが夜の一族。吸血鬼と呼ばれる存在。違いますか?」
時が止まった感じがした。だが、忍さんが、
「えぇ、そうよ。私たちは夜の一族。吸血鬼の類に入るわ」
「忍・・・・」
「いいわ。それと恭也、彼を放したら?」
「あぁ、そうだな」
そういって恭也さんは胸ぐらから手を離した。
「いきなり胸ぐらをつかんですまない」
「いえ、そうなって当然ですから。想い人ならば尚更です。」
俺がそう言うと二人はほんのり顔を赤くし、照れくさそうに笑った。
「(なんか、いいねぇ)」
[(なんだよ、羨ましいのか?)]
「(ちげぇよ、微笑ましいってことだよ)」
「それで、日光や血などに関しては大丈夫なんですか?」
「日光においては問題ないわ。それに血においても人から
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