第140話
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「もしかして、携帯を買い替えろとか無駄な事に罰ゲームをするつもりなのか?」
「そんなしょうもない事に使わないわよ。
アンタ、『ハンディアンテナサービス』って知ってる?」
「確か個人個人の携帯電話がアンテナ基地代わりになるってサービスだったな。
近くにアンテナ基地がなくても通話できるようになるらしいな。」
ようは、街中で携帯電話を持ち歩いている人全員が中継アンテナになるのだ。
例えば麻生の近くにアンテナ基地がなくても、人物一、人物二、人物三・・・と中継アンテナを繋いでいき、最終的に人物Xの近くに本来の設置型アンテナ基地があればそのまま通話できる。
実際には複数の人物を伝い、網の目のように通信ルートを構築するので、そうそう簡単に断線する事もないそうだ。
元々は震災下で地上の通信基地が全滅した際、数の少ない飛行船に設置型アンテナを付けて飛ばし、臨時の空中通信網を整備するために開発された物らしい。
そのため、音質などにあまり気を配っていない節もあるのだそうだ。
プラスの話題としては、大学側がテスト運用として補助金を出すため、サービス料金がメチクチャ安くなるとかいう話も出ている。
「私さ、あれに登録してみようかと思ってんのよ。」
「その事について知り合いが教えてくれたんだが、その制度に入る人は少ないらしいぞ。」
その知り合いとは桔梗の事である。
彼女は科学者でもあるので、専門が違えど多少の事ならわかる。
この制度は結構前から開始されていたらしく、それについて桔梗が色々駄目出しをしているのを思い出す。
「利用者全員が携帯電話の電源を常にオンにしてないといけないらしいぞ。
それに中継アンテナとしての機能を、常に起動させるからバッテリーの燃費が悪くなるって聞いたな。
何より、利用者が少ない。」
「だからそのサービスを普及するためにも加入するっつってんでしょうが。
ペア契約にしちゃえば『ハンディアンテナ』だけじゃなくて、その他の通話料金もずいぶん安くなるみたいだしね。」
「ペア契約・・・・また面倒な事を。」
「何よ、文句あるの?
それに今『ハンディアンテナサービス』とペア契約をセットで受けるとラヴリーミトンのゲコ太ストラップがもらえるのね。
カエルマスコット。」
「お前、もしかして・・・・」
「即ゲット。
だから一緒に契約しなさい。」
「そんなくだらない物を手に入れるためにここに連れて来たのか。」
「ゲコ太をくだらないですって!!
そもそも、アンタはゲコ太の何を知っているのよ!!」
あっ、面倒くさい地雷を踏んだ、と麻生は思った。
だが、美琴は勢いに任せて説明を始める。
「ゲコ太はあの子の隣に住んでるおじさんで乗り物に弱くてゲコ
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