第5話 咲、憂う
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ー。ヘキサ、あんま気にしなくていいんじゃねーの?」
にょき、と。いつからいたのか、モン太が生え……もとい現れた。
「うわ!?」
「きゃっ」
「咲もおれたちも自分がタノシイからビートライダーズやってきたんだし。ヘキサのためだけだったら咲だってキレイにカイサンしてしゅーりょーしてたって。な、咲?」
「え、あ、うんっ、そうね」
本心はむしろ逆のことで悩んでいたのだが、モン太が説得してくれそうな雰囲気だったので咲は肯いておいた。
「あ。おーい、お前らー」
モン太が、ちょうど更衣室から出てきたチューやん、トモとナッツを呼ぶ。
「咲がチームやめたいって言ってんだけどお前らどーするー?」
「ちょ、モン太!?」
「え、ヤだし!」
「……じょーだんじゃない」
咲は面食らった。軒並みやめたい派がいない。
「ちょっとぉ、リーダー? ナカマの意見ムシってジューダイケツギするってどーゆーことぉ?」
真っ先にトモが咲の眉間をぐりぐりしに来た。地味に痛い。
「……じょーだんじゃない」
「チューやん、セリフが使い回しだぜ」
「……それ以外思いつかない」
――思い出作りのためのはずだった。ヘキサ一人のためのはずだった。
それがいつのまにか彼らの中でこんな危機にあっても誰もやめようと言い出さないくらい、大切なものとなっていた。
「――みんな、いいの? ほんとに」
「あんたと同じグループになってから、こっちはイチレンタクショーのつもりだっつの」
「あで」
ナッツに鼻をデコピンされて、咲は鼻を押さえた。横でヘキサが驚いている。
「……うん。そうだったね」
咲は立ち上がった。胸にはすでに闘志が戻っていた。
「ガキの本気はオトナにも負けないって、世の中に思い知らせてやろう!」
『おー!!』
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